『石転ビ沢/寵恵(一)』からの、続きです。
ふ~っ、やっとこさで、十文字鞍部に起ちました。
"Welcome back, my friend"
今年も、石転ビ、飯豊の白龍のご機嫌麗しく、
その脊背を、恙無く、上りおおせました。唯々、感謝。
感恩が溢れます。
北股岳の親昵に浴し、しばし、うっとり。


お腹ペコペコです。
持参した水が尽き、水場へ。

水場はきちんと整備されています。有難い。
下山用に、1.5リットル、調達。

小屋に戻ると、「ブログをやっておられる方ですよね?」。
拙ブログを「お気に入り」にして下さってるそうな。恐縮です。
「恥ずかしいので…」と、後ろ姿。

花より団子、という訳で、お腹の方が先立ってしまいましたが、
満たされて、やっと?花を見る余裕が。(笑)
辺りにはイチゲの盛筵、豊溢する、ひとすじの気持ち。
今年も、その溌剌に、目見えることが許されました。感謝。

大日岳は、イチゲや、キンバイに彩られて、うれしそう。

烏帽子山、蒜場山も。

日帰りなので、ゆっくりもしていられません。
下山の途に。
と言っても、先ずは、北股岳に上らねば。
石転ビ沢と語らいながら。

ひと息入れて、梅花皮岳。

さらに標高を上げると、三幅対。

北方稜線が展けます。

北股岳を頂きました。

居合わせた方にお願いし、大日岳とツーショット。

断崖には雪がへばりついています。

石転ビ沢に、しばし、感懐。

仲良きことは、善き哉。
飯豊、烏帽子、梅花皮の峰々に、イチゲが連和。

能力も、感覚も、様々に衰えましたが、それと反比例するかのように、
花におどろく心はたくましくなるばかり。

咲く、そのひとすじの気持ち、その衷情に、胸打たれます。

イチゲ、キンバイの咲き溢れる桃源に…

歩を運ぶ、しあわせ。

峰々が頌います。


花々の讃歌をききながら…

のたりのたり。

天使たちがさやけく頌う小径…
この桃源は、
世界は粒子の偶然の集まりではない、
なんの意味も目的もない混沌、宇宙の不幸な偶然などでは決してないと、
つたえています、切々と。
重吉といっしょに詩おう、――
"てんきぐあいも こんなにいいなら
こんなみちをいつまでもあるいていたい
みちのすえには海がねむっている
いきどおりをもつもののゆくべきみちではない"

唱を合わせる、チングルマ。


門内岳を頂けば、連嶺の交響、"Grace be with you".

すると、山頂の社に憩う、山スキーのお二人。
聞けば、EVA父さんのお知り合いで、さっきお会いしたそうな。
何かのご縁、ということで、パチリ。

辞して、門内小屋へ。

ザックをおろして、飯豊の風光に総身をひたし、おにぎりタイム。
(奥から、飯豊山~梅花皮岳~北股岳)

モグモグしていると、お二人が、いよいよです。

見送って、私も門内にいとま。
こんなにたくさんの花に祝福される二王子岳は、しあわせもんだなぁ。


さらば。

花の、一輪、一輪の、自身をもやす、そのほのおは、その頌は、
私の体と言葉とを、つましくもやせと、告げています。

いざなう、地神山。

"see you, later", お歴歴にいとまを告げれば…

"Grace be with you"…


扇ノ地紙着。

二王子岳と語らえば…

地神山、地神北峰への径が披けます。

地神山へ上って、ひと息。扇ノ地紙。



地神山を頂きました。

『石転ビ沢/寵恵(三)』に続く。