『大日岳/嘉恵(一)』からの続きです。
ふ~、北股岳を頂きました。
梅花皮、烏帽子、飯豊の睦まじい三福対を背に、ショット。
門内小屋から先行した方に、撮って頂きました。
体にご機嫌を伺いながらのえっちらおっちら、
兎にも角にも、護られて、
ここまで、辿り着くことが出来ました。感謝です。
さて、御西かぁ…。
しばし、眺覧。
奥にダイグラ尾根を従えた飯豊山、御西岳。
そして手前に烏帽子岳、梅花皮岳が連なります。
西方には、頂稜に雲を被って大日岳。
御西小屋が見えます。
これをロックオンと言うべきか。
雷注意報が気になります、…。
十文字鞍部へ。
ちょこんと健気に梅花皮小屋。
石転ビ沢に白龍は不在。
雪渓の体はなく、
雪塊が次なる降雪を待ち望んでいます。
梅花皮小屋へ。
小屋の傍で、おにぎり1個。
御西までは、3時間強。雨も覚悟で、出発です。
梅花皮岳中腹、北股岳からのエ~ルに応えます。
雲の往来が増して来ました。
梅花皮岳から、ほん石転ビ沢。
烏帽子岳から落ちる、クサイグラ尾根。
近づく、烏帽子岳。
振り返って、梅花皮岳、北股岳。
烏帽子、西面が艶やか。
御西へとのびる稜線。まだまだ先です、御西は。
北股の衆、仲良きことは善き哉。
クサイグラ尾根とダイグラ尾根も仲良く。
招く天狗岳。
一歩一歩を、愉しみたい。
烏帽子岳、梅花皮岳、そして奥に北股岳。
ここは雲表の仙境。
雲気雲勢旺ん、
でもこの稜線を歩く、幸せ。
"明日、待ってるぞ"と、
赤岳沢の向う、宝珠山からの響。
雲を霞めて、陽精のエ~ル。
烏帽子岳南面の偉容。
おおきな大きなエ~ルに浴します。
御手洗ノ池に到着。
ここは梅花皮~御西のほぼ中間点。
相変わらず雲が元気です。
天狗の庭に到着。
先だって、此処で保全作業が行われました。
天狗岳の稜線を黙々と。
秋の宴のさ中ですが、如何せん、この天気。
ふ~、はるばると、遥々と、峠の我が家、
御西小屋に到着です。
翌25日。
御西小屋は満員。
その熱気でムンムン、ほとんど眠れませんでしたが、
充分、休養にはなりました。
朝は3時半頃から周囲にゴソゴソ、
朝イチ大日組や、早発ち組が動き出しました。
押されて私もまず、コーヒー。
朝食もとらず、4時、4時半に小屋を出られた方も。
私は食べないと動けない人間なので(笑)しっかり朝食。
5時を少しまわって、出発です。
濃いガスの中、
始めこそヘッデンを点けましたが、じきにOFF。
ガスを透して届けられた、朝陽のエ~ル。
勾配が増すと、山頂は近い。
大日岳の山頂です。
遥々と、はるばると、
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、
大日岳を頂きました。
"見えるものにではなく、見えないものにこそ目を注げ"。
この天辺に起って、安堵、ただ感謝。
感恩に溢れます。
すると一瞬、雲が割れ、天の響、
"Grace be with you"。
貧しき土塊の一歩一歩を祝してくれました。
前後して来頂されたこの方に私の写真を撮って頂きました。
感謝。
「私はもう後期高齢者」とご謙遜、
山歴が、山へと生きてこられた年輪が滲みます。
聞けばダイグラ尾根からの入山とか。
この年齢で、私は此処に起てているだろうか、
畏れます。
下り始めると、陽が射しこみはじめました。
でも山頂部は、重い。
だんだんと、だんだんと。
牛首山が御出座し…
そして、大日岳の肩まで。
それでも、山頂部は…。残念。
小屋近くまで戻ると、
陽精の一徹、雲が退き始めます。
さぁ~っと、流れ去る雲。
お~、大日岳が。
『大日岳/嘉恵(三)』に続く。