『飯豊周行(一)』からの続きです。
北股岳を頂いて、ひと息。周覧、眺覧のひと時。
仲良きことは善哉、――
ハア~、でも、疲れました。体が愚図つきます。
梅花皮小屋に沈没するか、御西へと勇躍するか…
決めなければなりません。
大日岳と、しばし、協議?
よくも歩いて来たものです。
山の精たちの秋の祝筵に、絶句。
この祝色、カメラにはおさまりきれないと思いつつ、
シャッターを押す指は忙しい。
さて、十文字鞍部へ。
御西の磁力が働きます。
石転ビ沢には、天を衝く白龍の昂然。
見る者を鼓舞してやみません。
健気に梅花皮小屋。
小屋には、小国山岳会の、
草刈さん、高橋さん、竹田さんが管理に。
明日が小屋締めとか。
"今日は不調~"、弱音を吐く私に「大丈夫!」と、背中をポン。
草刈さんから、採ってきたブナハリタケを、
御西小屋の羽田さんと一緒に食べてと、託されました。
よっしゃ、ミッションを負うと変に張り切る私です?(笑)
菓子パンを1個、パクパク。北股岳のエ~ルに浴します。
さて、いざ、御西。
梅花皮岳に取り付いて、…
北股岳の山体をまじまじ。
特大のエ~ル、確と、頂戴いたしました。
大日岳の呼ぶ響に応えます。
梅花皮岳から「ほん石転ビ沢」。
烏帽子岳の頂は、もう直ぐ。
クサイグラ尾根を落とします。
飯豊山の呼ばわる響。
御西へと連延、連接する稜線。
"よぶがゆえに
みえきたるものあり
よぶことなければきえゆくものあり"
(八木重吉)
大日岳の頂に、起ちたい。――
烏帽子岳を頂きました。標高は「2017.8M」。
2017年の山とか。
肩へと降りて、烏帽子、梅花皮、北股の三兄弟。
ん~飯豊の秋興、秋宴、秋祭…
沁みてくる、飯豊の衷情。
御西への小径を、切々と歩いてゆくと…
こころがしずかに昂ぶってゆきます。
陽精に促されると、雲の…
宴が始まり、雲海が張られました。
まず、にぎやかなこと。
輪舞、円舞で目を楽しませてくれます。
陽精もまざって、フラダンス?
一幕終えて、落ち着けば、烏帽子岳の勇姿。
呼ばわる響は、"天を仰げ"。
やっと、梅花皮~御西のほぼ中間、御手洗ノ池に。
おにぎり1個。
天狗の庭にご挨拶。
飯豊の保全の象徴的な場処です。
天狗岳が、"しっかりせんかい~!"と激します。
陽精のエ~ルに応えて、えっちらおっちら。
飯豊の光線が総身に滲みてきます。
この深い溪々にどんな世界があるのだろう。
オ~、峠の我が家、御西の小屋が見えて来ました。
大日岳も見えて、足取りが軽くなります。
お山の親昵が、疲れを熔かします。
あの向うから、遥々と、歩いて来ました。
陽精の、慈祥…
"ただいま"。
"Welcome home, my friend."
"Here, I am."
管理人の羽田さんに、
草刈さんから託されたブナハリタケをお渡しして、一安心。
受付。
早速、油で炒めたブナハリタケを馳走になりました。美味。
草刈さんに、感謝。
むしょうにあるいてきて、よかった。
やはりというか、足が攣ってしまい、羽田さんから漢方薬。
感謝。
今日は小屋が混んでいます。
(何と、その中に、山友asanoさんの姿。ビックリ~。)
羽田さんから、管理人室で夕食、一献とのお誘い、
お言葉に甘えさせて頂くことに。
ウィスキー、焼酎で一杯やりながらの、楽しい夕餉となりました。
ご厚情に、感謝。
『飯豊周行(三)』に続く。