雲はく白龍、石転ビ沢。
今日(6/17)は、飯豊、石転ビ沢へ。
奇しくも、昨年と同じ日の入渓となりましたが、同様に、
上天気に恵まれ、一刻、白龍の脊背に遊ばせてもらえた上、サプライズまで。
さらに丸森尾根へと周れば、
稜線は、イチゲ、キンバイ、チングルマが咲き溢れる桃源の世界。
心まで輪舞、円舞の僥倖に恵まれました。感謝。
(参考タイム;天狗平駐車場発04:56~07:14石転ビノ出合~10:20梅花皮小屋~11:33北股岳~12:14門内小屋~13:04扇ノ地紙~13:27地神山~13:41地神北峰~14:01丸森峰~16:08天狗平駐車場着)
体調を慮り、天狗平ロッジに前泊。
湯ノ沢に礼すれば、鼓舞して、エ~ル。いざ。
温身平に着。
主稜線には雲がにぎやか。でも、たぶん、きっと、晴れる。
下ツブテ石も、お変わりなく。
梅花皮沢に雪が繋がり出しました。
門内沢が見えて来ました。
赤滝の手前で雪にのれそうです。
枝をかき分け、雪にのると、一本立てている山スキーのお二人。
後姿が、どうも、ブログで見慣れたHさんの姿容に似て、思わず「Hさん?」。
すると、やっぱり、『EVA父さん』↓こと、Hさんでした。
(ブログ『山スキー・山登りと徒然日記』http://yama-ski.at.webry.info/)
何と10年振り?
以前、梅花皮小屋でお会いしたことのあるOさんもご一緒です。
しばし、歓談、四方山話。
今日は、門内沢の滑降だそうな。大先輩、恐るべし! (oritaさん)
そうは言っても、ゆっくりお喋りという訳にもゆかず、
お互い、それぞれの上りへ。
門内沢へと分け入るお二人を見送れば…
其処は、石転ビノ出合。
宙へと雲をはく、飯豊の白龍が御出座しです。
石転ビノ出合に起って見惚れていると、少し先に、赤いザックカバー。
雨でもないのに、それに、あの背格好…ひょっとして?kobayashiさん?
大声で、"kobayashiさ~ん"と、呼びかけると、応えてくれるではありませんか。
たった今、Hさんと、よく石転ビでお会いしたkobayashiさんはどうしてる?
と、うわさ話をしたばかり。まさに、噂をすれば何とやら。
待ってもらって、パチリ。3/18の東尾根以来です。しばし、歓談。
サプライズが二つも続いて、心はあたふた?
大岩の陰で、ひと息。パン1個。
風が冷たいので、帽子を外し、タオルで耳を被う頭巻きに。
アイゼンは、いつもの通り、上部の『ホン石転ビ沢』の出合で装着とします。
kobayashiさんは先行。
あらためて、いざ。
"imagine your own dragon",…
上るもの、ひとり一人の、
心の奥底に潜む"龍"だけが、白龍の息吹きに呼応する…
思いを尽くし、心を尽くし、力を尽くして。
歩く、そのひたすら。
その、幸せ。
透明な力が、しみてきます。
先行していた若い衆の背中が大きくなると…
ホン石転ビ沢の目迎に与りました。
石転ビノ出合から梅花皮小屋まで、切よく、3時間とすると、
此処までで三分の一の1時間。
距離はそれなりに踏んでいます…
ホン石転ビ沢ノ出合です。
ここら辺から放物線がグイっと上がり、勾配が増しますので、
アイゼン装着のポイントにしています。
石転ビの石がゴロゴロ。
飲んで、食べて、アイゼン着けて。
さぁ~て、天がける龍へ、つかまろう。
のっしのっしと、歩いていると、…
雪に、巌に、心のむすびめがほぐされてゆきます。
大円形劇場が、迫ります。
北股沢が圧しかかれば…
其処は、北股沢出合。
(「中ノ島」~草付はまだ出ていません)
一息入れて、一顧。
さぁ、核心部。
今、この、鼓動が、白龍の鼓動。
疲れ果てて?先行者。
そらへと、かけりゆくこころ。
アイゼンの爪を効かせてステップを切る、歩一歩、唯々、無心。
喘いで、あえいで、白龍に合わせられます。
苦しい、けど、愉しい。
上ればのぼるほど、雪はものであることをやめる。…
白龍がのぼる者の心にあるかぎり、雪の塊は白龍に生るのです。
だから、
"imagine your own dragon".
白龍が息をはくと、私はさやかにもえました。
そして、北股の頭(カッチ)に応えれば…
愉しき"imagine"の果て、梅花皮小屋のお出ましです。
『石転ビ沢/寵恵(二)』に続く。