『大日岳/讃悦(その2)』からの続きです。
ああ、暢達の飯豊。
小径をてくてく。歩くのが愉しい。
峰々の輪唱が響きます。
草月平の叙情に逍遥、
一輪一輪の花、ひとすじの気持が交響します。
白鯨の思い。
花の衷心。
白鯨の響に、耳澄ませます。
白鯨に、この”御鏡”に、魑魅魍魎の”文明”は、
どう映るのでしょうか。
入山の前の日、"談話"とやらで、
わが宰相は
”繁栄こそ平和の礎(いしづえ)"と、
したり顔で語っていました。
何たる幻想であることよ。
かつてガンジー翁は説きました、
”大地は
一人ひとりの必要を満たすだけのものは
与えてくれるが、
貪欲は満たしてくれない”と。
”暴力”に支えられた経済を基礎にして
平和を築こうとは、
あまりの背理ではないですか。
”然うだ”と、
飯豊の白鯨が肯いています。
お山のエ~ルに応えます。
駒形山、そして飯豊のピ~ク。
駒形山で周観、山の精のもてなしにまったり。
飯豊の頂が待っています。
飯豊山頂に到着。
愉しい、和やかな運歩の余韻に浸ります。
居合わせた方々とお喋り。
"若者よ、大嵓尾根を降るのに
水、700㏄じゃ足りないぞ~!"
"Grace be with you"。
宙と雲と大日岳が唱和します。
沁みるエ~ル。
"山のような人間にならせたまえ"。
北股の衆の呼ばわる響。"次、行けますように"。
この稜線も愉しいのです。
大嵓尾根、宝珠山。
そろそろ、山頂においとましましょう。
山頂を発つと、
直ぐ足元に一輪のイイデリンドウ。
丁重なるご挨拶を頂戴しました。
"ありがとう"。
飯豊の山頂をあとに。
本山小屋にもおいとま。
御前坂から、
御秘所、草履塚、種蒔山。
"カフェ御前坂"(テーブル形状石)。
もう、マスターは隠れだしました。
御前坂から、ねぎらいとエ~ル。
飯豊の白鯨、御鏡の雪からも、
"Grace be with you".
いかで応えん、飯豊の愛に。
飯豊は生命の山…。
…と感懐、草履塚に喘ぐと、何と山友ハタノさん。
そしてもうお一人、
忘れもしません、以前大嵓尾根でお会いした方です。
二人とも日帰り、越後人は健脚揃いです。
また、お会いしましょう~!
切合で大豆バー。水を補給。
これから辿る地蔵岳への稜線に気合を入れます。
睦まじく草履塚、飯豊本山。
まだか、まだかの地蔵岳。
滝切合から、飯豊本山。"Grace be with you".
"ありがとう、また来ます"。
御田の大杉に無事を礼して。
大日杉の小屋前に着地。
無事の下山、
たくさんの出会い、
讃悦の山路歴程、生命の充満に
感謝、感謝、感謝。
Fin