『大日岳/佳恵(二)』からの続きです。
ハァ~、さてさて、下らなければなりません。
バタバタと、詰めては出したり、押し込めたりで悪戦苦闘、
すったもんだのパッキングを了え、小屋の外へ。
一宿の恩義に、最敬礼。
北股の衆にも。
"See you, later"
御西を発ちます。
心のままに歩けと、お山の響。
さあ、草月平へ。
心の中に、
生命あふれる、そんな風景を有っている人は
なんて幸せだろう…
生命あふれる光景を有つ人は。
草月平には生命があります。
風に、光に生命があふれています。
その生命を呼吸して、自分が自分らしくなる…。
ただただ、理窟なしに…
歩くことが愉しい、真剣に。
ここには生命が溢れているから。
"それなのに、人間は…"と、
呼ばわる白鯨。
世界には暴力が跋扈し、生命が毀損されています。
"剣を取るものは、皆剣で滅びる"、
とは、新約書の主人公の言葉。
生命のつながりの中でこそ、ヒト。
心に剣をもつ者は、みな山に来たって、
生命に触れよ…
そんなお山の響がしました。
草月平の調べ。
そして白鯨の頌歌。
雲に涼しさを恵まれ…
駒形山へ。
北方からの、大きなエ~ル。
駒形山を頂けば、目の前に飯豊山。
振り返れば、草月平の暢達。
そして、北方稜線には寛厚。
しばし、北股の衆と語らいます。
それぞれの頂きには、それぞれに独特な頌がある。
頌う、大日岳。
さあ、飯豊山頂へ。
北股の衆の頌が足のリズムを刻みます。
飯豊山を頂きました。落ちるダイグラ尾根。
中程のピークに飯豊本山小屋。
ちょっと出過ぎ?記念にパチリ。
陽が昇るにつれ、雲も上がり、活発に。
主稜線に雲が出張ります。
大日岳が、"また来いよ"と。
おいとまです。
イイデリンドウからエ~ルを戴き、
いとまを告げます。
飯豊山頂にも。
雲に蔽われ始めた本山小屋。
ガスの中、
後は、只管、下るだけ。
御秘所、そして御秘所沢。
幽玄の草履塚。
ウスユキソウや…
そしてマツムシソウに、エ~ルを頂戴し、
すたこら。
切合で、ひと息、水補給。
感謝。
ガスの中、七森を。
七森を過ぎて。
三国小屋で、金子さんとしばしお喋り。
お見送り、恐縮です。
このコース、登り返しがやたらです。
疣岩分岐からは往路を外し、新長坂へ。
松平峠まで、あと少し。
随分と久しぶりです、この径は。
この橋を渡れば、山路の終了。
その前に、タオルをひたして、汗を拭きとりましょう。
無事の下山、
佳恵の山路に
感謝、感謝、感謝。
Fin