あるく

~山の恵みの備忘録~

吾妻山・憂愁を超えて 2009年8月23日

  吾妻山、
  この山の西域への入山は二十年振りになるでしょうか。
  真夏の太陽がジリジリと照りつける中、
  白布峠からの藪の濃い径をフラフラになりながら
  西吾妻へと登り詰めた日のことが懐かしく思い出されます。

  南面のデコ平からの上りは、湿原あり、お花畑あり、
  ブナやオオシラビソの樹林ありと、
  吾妻らしさ、その個性が際立つ行程です。
  今回は西吾妻山を越え、中大巓(なかだいてん)の先、
  人形石まで足を延ばしました。
  山上の茫漠・茫洋とした暢やかさは
  不思議と「達成感」めいたものを感じさせませんが、
  この山が醸し出す優しさ・奥ゆかしさは、それ自体気高さであり、
  この山の本懐と呼ぶべきものなのでしょう。
  ただ、その優しさに乗じてと言ったら叱られそうですが、
  「観光」の波はスカイラインや登山リフトを用意して、
  この山をお手軽なものにし、結果、大勢の登山「客」の来訪を招き、
  木道の氾濫や石畳の敷設が余儀なくされました。
  良い悪いを論ずるつもりはありません。
  ただ、山自身の憂愁に思いをいたしたい、そんな気持です。

  山はその憂愁を山肌に散りばめられた一輪一輪の花々に託して
  ささやいているのでしょう。
  この山の気高さ、その本懐は
  人間の小賢しい振る舞いにもかかわらず、
  その憂愁を超えて美しく・大きく在り続けて来ました。
  きっとこれからも在り続けてくれることでしょう。

  何も語らない山、
  語られない言葉にいつも耳を澄ませたい・・・。

(デコ平口08:00発~09:45西大テン~10:30西吾妻山頂~11:45人形石着/人形石発12:20~13:20西吾妻小屋~15:10デコ平口着) 

    
   

林道を上りつめ(もちろん車で)、デコ平口から登山開始です。
「熊さん 人間に注意」(!)  ごもっともです。
危険なのは「人間」の方?ですから。
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気持のいいデコ平湿原を進みます
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このブナの木には驚きました。
一体何がどうなってこうなったのでしょうか。
人生論風に言えば、「いちどグレて曲がってしまいましたが、
更生して真っ直ぐに生きて来ました」でしょうか?
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グランデコスキーリゾートの上部のブナは大事に、
あまり伐採されていないようです
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ガスられがちでしたが、西吾妻の山頂に到着です(筆者)。
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西吾妻を後に、天狗岩一帯のゴーロが見えて来ました。
それにしても木道の敷設が徹底してますね。
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吾妻神社です
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ヤマハハコ
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オシラビソの間を登山道・・・吾妻らしい植生です。
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目指すは中大巓の先、人形岩。
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ミヤマリンドウ  
イイデリンドウより咲くのが遅いような
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木道が続きます。
広大な吾妻連峰、やや右奥に一切経山、そして家形山・・・。
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中吾妻山、左に継森
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人形石はまだまだ先
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ちょっと振り返って西吾妻山
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やっと人形石に到着  
ビールとラーメンとオニギリの宴です
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たっぷり休憩、お腹も満タン、西吾妻山へ戻ります。
それにしても見事な石畳です。
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梵天岩が見えて来ました。
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ミヤマリンドウ
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青空の下、吾妻の広大さが迫ります
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一切経まで歩き徹したいけれど、く・る・ま・が~
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池塘がそこかしこに
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西吾妻小屋へ木道を進みます
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西吾妻小屋です
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西吾妻の山頂はすぐそこですが寄らずに行きます
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緑化ネットです  効果の程は・・・
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西大巓が見えて来ました
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西大巓への登り返しです。ご苦労なことで・・・
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西大巓に帰り着いて、西吾妻山を振り返ります。
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中吾妻山です。奥にかすかに東吾妻山。
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西吾妻山
これから樹林帯に入るのでもう見えなくなります。
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下山のひと時をご一緒した二本松市の金井さん。 
御歳七十二、お元気です!
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樹林帯を抜けゲレンデに出ると磐梯山が出迎えてくれました。
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デコ平湿原を駐車場に向けて進みます。
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磐梯山が見守ってくれています。
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西大巓のお山の上から雲が「また来いよ~」と言っています。
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                                 完


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