あるく

~山の恵みの備忘録~

中吾妻山/信誠 2020年9月13日

唐松川は、清澄をもって迎えてくれました。(ザラメキ滝) 

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今日(9/13)は、吾妻へ。

信仰の山として栄えた吾妻山の中心は、中吾妻山の吾妻山大権現。

その吾妻山神社への道が守られ、信心が、祈願が、時空を透して繋がっています。

縁あって、その道の整備、清掃登山に参加させて頂きました。(四度目かな?)

先ごろ、

吾妻山をこよなく愛し、この山に深く愛でられたkawasimaさんが他界されました。

謹んで、哀悼の意を表し、衷心より、ご冥福をお祈りいたします

追悼の吾妻入り。

 

  

 同行の方々。(komatuさん、takahasiさん、T部さん、tanahasiさん)

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4年ぶりの唐松川。―

たたずめば、その清淑、清安に合わせられます。 

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而今の山水は、古仏の道現成なり」(道元)・・・

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いざ、分け入らん。  

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予報に反して?陽精の祝福。

kawasimaさんのエ~ルに違いない。 

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勾配に喘ぎます。 

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森の古老に激されて。 

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やっと緩やか、心肺にやさしく。 

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支障木を処理しながら。手間のかかる物件?は帰路に。 

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吾妻らしい植生、この香は不思議と心を和ませます。 

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この大岩が立ちはだかると・・・ 

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 「奥姥神様」が寂かに鎮座する場処。

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みんな揃って、一服。 

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衣替えです。 

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さあ、あと1km 。段々と足元は不如意に。

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滑らぬよう、慎重に。 

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やっと、到着。『吾妻山神社』。

『吾妻山大権現』として、この「霊岩」は崇敬されています。

役ノ小角や空海云々の伝承は後の権威付けのための脚色としても、

天安2年、藤原義円の木食修行、心願成就がその開基。 

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 岩の直ぐ下からは白濁の温泉水が流れ出ています。

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 今でこそ、様々に「宗教」の形象(かたち)がありますが、

入峯しての厳しい修行、その果てに山や自然のエネルギーを、その生命を、

「験」(しるし)として「修」めることで、ありうべき「救い」の一端に触れ、

人々にもたらしたのでしょう。

現下の情報社会。AIは彼らの目にどう映るでしょうか。「豊饒」とは考えまい。

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木村完三氏の『吾妻山の歴史』によれば、―

「その昔、山伏修行のために吾妻山大権現に至る登拝順路は概ね次の通りである。

A『御峯駆け(奥の院駆け)』

;熊野口・妙見口→唐松沢→姫姥神→奥の院(吾妻山大権現)

~猪苗代より奥の院に至るもっとも便利なルート

B『御沢駆け(地獄駆け)』

;チクマンの滝→不動滝→神楽滝→地獄滝→地獄桁→朱滝→ヤケノママ→奥の院

~滝の連続する中津川渓谷を難行しながら登るので、地獄駆けといわれた

C『東吾妻駆け(大倉駆け)』

;市沢→蒲谷地→猿倉・日向倉・不動倉→大滝→小滝→谷地平→中吾妻山→奥の院

~日向倉には行者が逆さ吊りにされ、谷底をのぞいて懺悔した天狗の鼻と称する岩場がある

D『磐の掛梯山駆け』

磐梯山→小野川不動滝→西大巓→西吾妻山→人形石→藤十郎→ヤケノママ→奥の院

磐梯山を吾妻山の前山とみなしたスケールの大きい駆け道

E『不動沢駆け』

;先達山→高湯→不動滝→五色沼一切経山→姥ケ原→谷地平→中吾妻山→奥の院

信夫郡(現福島市)からの駆け道

F『岳山駆け』

梵字岩→鉄山→高森→幕の湯→樋沼→姥ケ原→谷地平→中吾妻山→奥の院

安達太良山を前山とみて、鉄山登行後に吾妻山奥の院に向かう道

・・・・・・・

吾妻山へ登拝するときは、三日間の火断ち潔斎して講中世話人に伴われ出発した。

奥の院では、成就院の法印が十七日間の勤行祈祷を続け、

参拝者が絶えなかったという」。

 

 

 まずは清掃。 

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 それぞれに、それぞれの憶い。kawasimaさんを偲んで、黙祷します。

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(今回かなわなかったyosidaさん、故kawasimaさん、saitou翁も一緒に~2014.09.07f:id:bot-naz1:20200914071303j:plain

 

 

 

さて、昼餉。笹薮を抜け、少し先へ。

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吾妻の水をあつめ、権現沢は頌います。 

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その翔逸、翔華、翔踊。 

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その謙廉。 

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畔で、思い思いに。 

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お喋りで、kawasimaさんの供養。 

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さて、雨がせまって来ている様子。

残して来支障木が気にかかります。カップ麺はやめ、おにぎりだけに。

食べ終えた順に、おいとまです。

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素性の良い木は?スムーズ。 

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岩の一つ一つに惟いが蔵されています。耳を澄ませば、響が。

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 これは二人がかりで。

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何本か伐りながらゆくと・・・ついに、雨。 

傘組とカッパ組に。すると、ついつい足早に。

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ひと息入れます。 

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(在りし日のkawasimaさん・・・2014.09.07

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小雨に煙る中、そそくさ。 

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どうにか尻餅なしで?帰還。 

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ザラメキ滝の、そしてkawasimaさんの・・・  

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懇ろなる労い、エ~ルに与りました。

霊よ、安かれ。

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(ザラメキ滝~「サワメキ」、「ザワメキ」といった地名は水音に由来。「ザラメキ」も多分?

 

無事の下山、

山路の信誠、kawasimaさん在りし日の芳情また厚情に

感謝、感謝、感謝。

 

 

 

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集合場所に戻ると、yosidaさん母娘の迎候。

労いに与って、飲み物やらお土産。恐縮の極みです。

みな様の上にお山の恵みが豊かに注がれますように。

お世話様でした。 

 

fin