あるく

~山の恵みの備忘録~

安達太良山/素明 2016年3月12日


  今日(3/12)は、安達太良山へ。
  
  私もわが愛車も雪道の走行が苦手、
  スキー場に絡む登山口などご法度でしたが、
  12月ー2月が過ぎ、3月となって、雪が往き、春の気勢もあがり、
  登山口へのアクセスが易くなりました。
  まずは、雪の感触を求めて、近場へ。『3.11』を思いながら。



  勢至平から、安達太良本峰、篭山、矢筈森。
  今朝は寒く、ル~トは踏み固められ、高速道路です。
  足に何もつけなくても楽々。
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  くろがね小屋へは寄らず、山頂へ。
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  馬ノ背、そして鉄山。
  予報に反し?どんどん雲が出張ります。
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  雪魄に、愉しい運歩
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  矢筈森が雄々しい。
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  足に何も着けぬまま、峰の辻。
  山頂が招きます。このままノーアイゼンで。
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  もう直ぐ。
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  山頂部は、めずらしくそよ風。
  でも、上には雲。
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  安達太良を頂いてパチリ。
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  (和尚山)
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  (船明神山、障子ケ岩)
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  しばし、黙想。
  (牛ノ背、矢筈森、鉄山)
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  昨日は、3.11。

  東日本大震災からもう5年が経ちました。
  報道の特集には、様々に癒えぬ悲しみ、――
  フクシマには原発が、
  "文明"を、
  "今日、わずかでも経済的利益があれば、
  未来に何が起ころうと、
  意に介する必要はないという考えの愚かさ"を、
  告発し続けています。
  報道はまた、国策の事故前への後戻りを憂い、
  "本質的なことは何も学ばなかった"
  と慨いていました…。

  孔子は学ぶことを怠る人間が必ず陥る偏向として、
  六つ、列挙しています。曰く、――
  "仁を好んで、学を好まざれば、其の弊は愚"、
  "知を好んで、学を好まざれば、其の弊は蕩"、
  "信を好んで、学を好まざれば、其の弊は賊"、
  "直を好んで、学を好まざれば、其の弊は絞"、
  "勇を好んで、学を好まざれば、其の弊は乱"、
  "剛を好んで、学を好まざれば、其の弊は狂"、
  即ち、
  "学問によって鍛錬されない愛情は、愚者の愛情"、
  "理性的でない知識、それは無用な氾濫"、
  "学問を伴わない信義、それは侠客の仁義"、
  "偏狭な正義感によって、人に自説を押しつけるは絞"、
  そして、学ぶことを通して思慮をつちかわなければ、
  "勇は乱を"、"剛は狂を"、産む。戦前、戦中の日本を見よ。
  
  ただ誠実なだけではいけない、
  すべての人に具えられている「仁」、
  その使命を、しっかりとつかみ、具現するには、
  まず人間の事実について、
  多くを学び、知らなければならない、
  愛情は盲目であってはならないのだ、――
  切々と説く孔子に、
  わたしも、様々に彼と相容れない思いを有ちますが、
  同意します。
  彼が今、この時代を生きていたなら、
  きっといま一つの弊を加えるに違いありません。
  即ち、
  「利を好んで、学を好まざれば、其の弊は亡」と。
  

  "然うだ"と、
  陽精が、雲を分けて、肯ってくれました。
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  岩かげで、パン1個。
  ブルブル、じっとしていると、寒い。
  ――帰りましょう。



  牛ノ背経由、矢筈森へ。
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  (船明神山)
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  (その先には障子ケ岩)
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  沼の平を見下ろします。
  天然は"不条理"を以て、人間に思想の更新、更生をうながします…。
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  矢筈森の岩塊。
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  (矢筈森から馬ノ背、鉄山)
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  ル~トをちょっと外し、遊びます。
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  先を越されて既にシュプール。残念。
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  この真中を下りました。
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  往路を復します。
  向うに鉄山、雪が舞い始めました。
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  ここで一息、菓子パン一個。舞う雪の抒情。
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  雪面に私の影、
  振り返れば、陽精のあたたかなねぎらいとエ~ル。
  交わす祈りは、
      "Grace be with you".
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  無事の下山、
  素雪、素明の山路に
  感謝、感謝。



  Fin