あるく

~山の恵みの備忘録~

飯豊/恩威 2023年6月18日

「今、君が起っている、其処が山頂だよ」と、お山の響。

 

 

今日(6/18)は、日帰りで、飯豊へ、切合まで。

若いときなら、3歩で歩けたところに、4歩、5歩。

面目ないような、引け目のような、ばつが悪く?~ちょっと、かなしい。

でも、そうした器官、感覚が衰えればおとえるほど、

お山におどろく心はとぎすまされ、ふかみゆきます。

 

 

川入なる御沢野営場に車を置かせて頂き、飯豊道に客となります。

下十五里。前回の様な失態(!)はなく、胸を張って?(笑)

 

路傍の花々のエ~ルがうれしい。

 

 

 

お日様の頌に歩を合わせます。

 

地蔵を巻くと、三国岳の御出座し。

 

恵みの水を有難く頂戴します。

 

ヒメサユリの目迎に与って・・・

 

えっちらおっちら?剣ヶ峰。

 

しばし眺覧、周覧。

 

飯豊の清爽。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り返って、剣ヶ峰。

 

七森の断崖に鼓舞されて・・・

 

三国岳を頂きました。

此処までで4時間ちょっと。切合に着いていてもおかしくない時間です。

泊り装備なら「御の字」ですが、日帰り装備では、ちょっと・・・。

この現実は、現実として、受け留めねばなりません。

管理人さんがおられるようなので、お声がけすると・・・

何と、以前、本山小屋の管理人だった高橋さんの姿が。

 

少し遅れて上って来たリョウ君と高橋さん。

 

二人の会話に、大日岳が耳をそばだてています。

 

リョウ君にお尻を叩かれ?「いざ」。

 

でも、のっそのっそと亀歩き。

 

途中で、本山小屋から下って来られたkanekoさん御一行とスライド。

 

心友のカンバ、息災で何より。

 

種蒔山が迫ります。

 

 

種蒔山の頂稜に起てば、飯豊本山の精爽。

 

無沙汰を詫びれば、"Welcome home, my friend"。

 

親昵の響。

 

切合はいいロケーション。

 

 

 

 

切合小屋に着くと、小国山岳会の面々とバッタリ。

シミケンさんは、すっかり猛者(!)の貫録。御西小屋で一仕事して来たそうな。

ヘリ荷上げ品の荷捌きから、修繕、し尿汲み取りまで、ご苦労様でした。

それに、何と、一昨年の日帰りの際、道々ご一緒したAyaさんの姿が。

その後、彼女は発起して小国山岳会に入会、ピカピカの一年生とか。

・・・グングン強イ芽ヲ噴イテ、ドコマデノビルカワカラナイ・・・

まぶしいなぁ。

ただ忘れずにいて下さい、心の片隅に。

山は「われら」でなく、「われ」であることを。

第一人称の単数であって、人数また集合でないことを。

山は全般的、また社交的なことでなく、

個人的、一身的なことであることを。

山は「われ」の心の奥底にみいだされるのであり、決して、

知識だけ、業だけの「専門家」になりませんように。

小国山岳会、飯豊朝日を愛する会のみな様、お一人おひとりに

・・・雲カラモ風カラモ、透明ナチカラガウツレ・・・

(カタカナ文字~賢治)

 

 

辞して、見晴らしの岩場へ。

 

 

お山を前に礼敬すれば、"Welcome, my friend"。

私は静かに、息づき、満ち足り、自由にされました。

 

 

 

もう、山頂に着いていい時間です、疲労も相応しています。

一かバチか、行けるところまで~は利己心から出て来る誘いです。

観念的にはいざ知らず、この生身をあげて振舞おうとすれば、

おのずから、道は一本しか示されません。

私には責任があります、自らの山行を完遂する責任が。

たとえ山頂は踏まずとも、無事の帰宅こそが、山行の完遂なのです。

登山とは、山を愛すること。

人間の愛情がその基礎にあることは、明白です。

もちろん、定義としては尽くされておらず、不十分。

そこには、山を頂かんとする意力、実行力が伴います。

そして、人はみな一人一人、種々の限定を帯びた存在である以上、

そこには、当然、思慮が伴います。

或いは衝動の様に、或いは利己心からでた登山という振舞いでしたが、

お山にたすけられ、かばわれ、いつしか、不思議なことに、

自分を誇るための山ではない、山を誇るための自分なのだと、

そんな思いへ変えられてきました。

 

 

「友よ、そこが山頂だ」。

 

天上には、まなざし。

 

"Grace be with you".

 

いい時間を過ごせました。深謝。

 

 

帰るとしましょう。

 

 

 

飯豊本山に、いとまを告げて。

 

後は、すたこら?~とはいかず、のっそのっそと。

 

"See you, later".

 

 

 

三国小屋が見えて来ました。

 

三国小屋では小国山岳会の皆さんが一休み。しばし、歓談。

高橋さんにご挨拶し、少し遅れて、剣ヶ峰の岩稜へ。・・・

 

 

 

 

 

 

路傍の花々の慰撫慰待に与りながらの、カメ運歩

 

今日は、亡き母が愛用した杖も一緒。扶けてくれました。

 

森の精霊の祝福に与って・・・

 

無事の下山、

恩威の山路に

感謝、感謝、感謝。

 

fin