あるく

~山の恵みの備忘録~

群像/飯豊の保全[前篇] 2017年9月9-10日

それぞれの思いを担いで集いました。
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今回(9/9-10)は、飯豊へ。
 
非力ながら、飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業に参加させて頂きました。
私など、参加されたみなさんの意気に圧倒されっぱなしで、ただただ、畏れるばかり。
でも、たのしいひと時でした。
 
なぜ、保全なのでしょう。――
保全」へとかりだされたわたしたちの、その「絆」とも言うべき繋がりの根底には、山への憧れがあり、そうした心性には、宗教的な畏敬、尊崇、あるいは友愛と言っていい何かが、根柢に流れています。
東日本大震災を体験したある哲学者は、
「偶然苦しむ他者に遭遇した時、その他者が見知らぬ人であっても、どのような人であっても、その他者に"無関心"ではありえないという心の疼きが、"共苦・同情"の息吹が、われわれの心の底から吹き上がるということは事実である。この事実が、人間性のうちに潜む神秘であり、それが人間の絆の根底なのである」と、綴りました。
 
山は、大いなる他者です。その山が、山が傷を負って苦しんでいる。人為によって荒廃した登山道が救いを求めている。その「助けを呼ぶ」かすかな声に応答すること、その声に巻き込まれ、応答を余儀なくされる…それが責任を負うということであり、保全」という振舞なのだと、そう、思っています。
でも、なぜ?
それは、わたしたちが飯豊の中に居り、飯豊がわたしたちのうちにいるからです。
 
参加されたみなさん、お一人、おひとりが、どうぞ、お山に愛でられますように。
 
 
(参考タイム
9/9;御沢登山口発9:01~9:35下十五里~11:19横峰~12:00峰秀水~12:54剣ヶ峰~13:20三国小屋着-泊
9/10;三国小屋発05:46~06:56切合着~種蒔山現場での保全作業~切合発11:45~12:46三国小屋発13:40~13:52剣ヶ峰~14:35峰秀水~14:51横峰~15:45下十五里~16:03御沢登山口着)
 
 
 参加者には宿として三国小屋と本山小屋が指定されており、
 私は、多分空いてるだろうと、三国小屋を希望しました。
 でも、こんなに遅い時間に登り始めるのは初めて。
 
 大白布の沢にご挨拶。エ~ルに浴します。
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 分け入って、飯豊道。
 木の根坂をえっちらおっちら。…
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 下十五里には、静かな時間が流れています。
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 樹々の声に、心肺に、耳澄ませながら。
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 横峰到着。
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 地蔵山を巻けば、三国岳からのエ~ル。
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 水場には、先行していた西会津山の会のみなさんが憩います。
 ザックにはスコップ、保全組ですね。
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 おにぎり食べて、意気揚々。いざ、三国岳。
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 岩稜をたどたどと。
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 剣ヶ峰に到着。
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 三国小屋まで、あと少しです。
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 ザックを降ろして、ひと息。眺覧のひと時。
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 七森が落とす迫力。
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 そして、七森沢はまだ豊かに残雪を蔵しています。
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 振り返って、地蔵山。
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 護摩壇は来る者を品定め。
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 三国小屋に到着。
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 "Welcome, my friend",
 光と雲と戯れながら、大日岳が迎えてくれました。
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 管理人の金子さんにご挨拶。保全組は二階へ。
 聞けば、三国小屋に泊るメンバーが一番多いとのこと。
 すでに、小国山岳会のみなさんが陣取り、大鍋で何やらグツグツ。
 シミケンさん、お久しぶりです。
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 切合に様子を見に行ったHZUさんこと、井上邦彦さんもご帰還。
 お久しぶりです。
 井上さんは、HP『飯豊朝日連峰の登山者情報』の主筆にして、
 小国山岳会の会長、『THE 保全』ともいうべき方です。
 HZUさんが「保全」にどれほど心を砕いてこられたか、――
 それは、余人には窺い知れぬ消息です。
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 加えて二階には、
 新潟の黒崎山の会、中条山の会、山形の大江山岳会のみなさん、 
 そして裏磐梯自然保護官事務所のお二人が。――
 
 HZUさんの呼びかけで、懇親会に。
 熊汁を始め、心づくしの料理、ツマミが並び、アルコールも、
 一升瓶、ワイン、缶ビ~ルなどなど、次から次へと、いやはや。
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 作業の上首尾、みなさんの幸いを祈念して乾杯、そして自己紹介。
 後は飲んで、食べて、「記憶にございません」?(笑)
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 座談、懇談、歓談、花が咲きます。 
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 明日は、このアルコールを燃やしてがんばるぞ~!? 
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 明けて9月10日。
 
 磐梯山から、朝の挨拶。
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 大日岳は、まだ眠そうです?
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 一日が始まります。
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 この三国岳から、切合、種蒔山の作業現場まで1時間ちょい。
 小屋前にはすでに多くの方がスタンバイしています。
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 HZUさんを先頭に、出発です。
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 振り返って、三国小屋。
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 昵懇のカンバに挨拶すれば、陽精と一緒に、渾身のエ~ル。
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 清々しい朝の逍遥です。
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 種蒔山が圧して来ました。
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 肩へと上がって頂稜に乗れば、飯豊の壮陽。
 
 
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 飯豊の言葉が沁みてきます。
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 "Grace be with you".
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 さて、切合へと下り始めると、それぞれの現場に資材が。
 流石に強力。あっぱれです。
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 この区間は侵食が過ぎて来たので、手当をした上で廃し、
 隣にS字、九十九折の道を伐開し、付け替えます。
 本日の大きなミッションの一つです。
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 さて、切合の現場に到着。資材を開封し、点検します。
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 本山小屋に泊った面々を首を長~くして待ち…
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 揃ったところで…
 まずは、本日のミッションの統括リーダー、平野さんのご挨拶。
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 続いて、リョウくんから、
 作業のアウトラインにつきオリエンテーション
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 本日は伐開がありますが、大日岳は目をつぶって、"許す"と。
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 『群像/飯豊の保全[後篇]』に続きます。