それぞれの思いを担いで集いました。
今回(9/9-10)は、飯豊へ。
私など、参加されたみなさんの意気に圧倒されっぱなしで、ただただ、畏れるばかり。
でも、たのしいひと時でした。
なぜ、保全なのでしょう。――
東日本大震災を体験したある哲学者は、
「偶然苦しむ他者に遭遇した時、その他者が見知らぬ人であっても、どのような人であっても、その他者に"無関心"ではありえないという心の疼きが、"共苦・同情"の息吹が、われわれの心の底から吹き上がるということは事実である。この事実が、人間性のうちに潜む神秘であり、それが人間の絆の根底なのである」と、綴りました。
山は、大いなる他者です。その山が、山が傷を負って苦しんでいる。人為によって荒廃した登山道が救いを求めている。その「助けを呼ぶ」かすかな声に応答すること、その声に巻き込まれ、応答を余儀なくされる…それが責任を負うということであり、「保全」という振舞なのだと、そう、思っています。
でも、なぜ?
それは、わたしたちが飯豊の中に居り、飯豊がわたしたちのうちにいるからです。
参加されたみなさん、お一人、おひとりが、どうぞ、お山に愛でられますように。
(参考タイム
9/9;御沢登山口発9:01~9:35下十五里~11:19横峰~12:00峰秀水~12:54剣ヶ峰~13:20三国小屋着-泊
9/10;三国小屋発05:46~06:56切合着~種蒔山現場での保全作業~切合発11:45~12:46三国小屋発13:40~13:52剣ヶ峰~14:35峰秀水~14:51横峰~15:45下十五里~16:03御沢登山口着)
参加者には宿として三国小屋と本山小屋が指定されており、
私は、多分空いてるだろうと、三国小屋を希望しました。
でも、こんなに遅い時間に登り始めるのは初めて。
大白布の沢にご挨拶。エ~ルに浴します。
分け入って、飯豊道。
木の根坂をえっちらおっちら。…
下十五里には、静かな時間が流れています。
樹々の声に、心肺に、耳澄ませながら。
横峰到着。
地蔵山を巻けば、三国岳からのエ~ル。
水場には、先行していた西会津山の会のみなさんが憩います。
ザックにはスコップ、保全組ですね。
おにぎり食べて、意気揚々。いざ、三国岳。
岩稜をたどたどと。
剣ヶ峰に到着。
三国小屋まで、あと少しです。
ザックを降ろして、ひと息。眺覧のひと時。
七森が落とす迫力。
そして、七森沢はまだ豊かに残雪を蔵しています。
振り返って、地蔵山。
護摩壇は来る者を品定め。
三国小屋に到着。
"Welcome, my friend",
光と雲と戯れながら、大日岳が迎えてくれました。
管理人の金子さんにご挨拶。保全組は二階へ。
聞けば、三国小屋に泊るメンバーが一番多いとのこと。
すでに、小国山岳会のみなさんが陣取り、大鍋で何やらグツグツ。
シミケンさん、お久しぶりです。
切合に様子を見に行ったHZUさんこと、井上邦彦さんもご帰還。
お久しぶりです。
小国山岳会の会長、『THE 保全』ともいうべき方です。
HZUさんが「保全」にどれほど心を砕いてこられたか、――
それは、余人には窺い知れぬ消息です。
加えて二階には、
新潟の黒崎山の会、中条山の会、山形の大江山岳会のみなさん、
HZUさんの呼びかけで、懇親会に。
熊汁を始め、心づくしの料理、ツマミが並び、アルコールも、
一升瓶、ワイン、缶ビ~ルなどなど、次から次へと、いやはや。
作業の上首尾、みなさんの幸いを祈念して乾杯、そして自己紹介。
後は飲んで、食べて、「記憶にございません」?(笑)
座談、懇談、歓談、花が咲きます。
明日は、このアルコールを燃やしてがんばるぞ~!?
明けて9月10日。
磐梯山から、朝の挨拶。
大日岳は、まだ眠そうです?
一日が始まります。
この三国岳から、切合、種蒔山の作業現場まで1時間ちょい。
小屋前にはすでに多くの方がスタンバイしています。
HZUさんを先頭に、出発です。
振り返って、三国小屋。
昵懇のカンバに挨拶すれば、陽精と一緒に、渾身のエ~ル。
清々しい朝の逍遥です。
種蒔山が圧して来ました。
肩へと上がって頂稜に乗れば、飯豊の壮陽。
飯豊の言葉が沁みてきます。
"Grace be with you".
さて、切合へと下り始めると、それぞれの現場に資材が。
流石に強力。あっぱれです。
この区間は侵食が過ぎて来たので、手当をした上で廃し、
隣にS字、九十九折の道を伐開し、付け替えます。
本日の大きなミッションの一つです。
さて、切合の現場に到着。資材を開封し、点検します。
本山小屋に泊った面々を首を長~くして待ち…
揃ったところで…
まずは、本日のミッションの統括リーダー、平野さんのご挨拶。
続いて、リョウくんから、
作業のアウトラインにつきオリエンテーション。
本日は伐開がありますが、大日岳は目をつぶって、"許す"と。
『群像/飯豊の保全[後篇]』に続きます。