薫然として、吾妻の重畳。東大巓から。
今日(8/29)は、先週の稜線を繋ぎたくなって、再訪、吾妻山。
浄土平~谷地平~東大巓~昭元山~烏帽子山~家形山~一切経山~
大方の記録を平均すると行程は20kmほどで、累積獲得標高差は1,250Mぐらい。
12年前、同じコースを弥兵衛平まで繋ぎましたが、
今回は、道刈りの手が少し入っていたとは言え(感謝)、未整備の箇所も多く、
また、大倉新道、最後の詰めで、不覚にも、沢に転んで、膝にダメージ、
大事をとって東大巓までとしました。
(参考タイム;浄土平5:48~8:00谷地平湿原~10:40東大巓~12:01昭元山~12:41烏帽子山~14:56一切経山~15:46浄土平)
しっかとエ~ルを頂戴しました。
一切経にご挨拶。いざ。
寒いと思ったら、何と木道に霜が!
途中から、ご一緒させて頂いた方。谷地平で沢遊びの由。
お喋りを愉しみながら。
お名前を伺うと、ageishiさん。75歳、まだまだ達者。隣町三春の方でした。
森を抜け姥沢へ。大水があったか!?様相に変化。
この辺り、道刈りが施され、さっぱり。ありがとうございます。
おかげさまで、朝露に濡れることなく、谷地平の湿原へ。
ん~、ここは、ここに起つのはいい、ほんとにいい。
吾妻の衆の、お歴々のまなざしが・・・
やさしく、あたたかく注がれます。
今日は、もう、此処で沈没しちゃおうかな?(笑)
どうする?
草は何も語らず。でも、陽精は水面を透して、先へと促します。
お日様の激をうけ、あの稜線へ。
大倉深沢。道刈りは、此処まで。
大倉新道へと入ると、手が入った様子はなし。
倒木や笹薮が続き、yamap等、最近のレポが悪態だらけなのも頷けます。
何とか道を拾い、程なく、沢に沿うようになると、分岐は間近。
ただ、不覚にも、沢に入って転んでしまい、左ヒザにダメージ。
幸い、歩けないほどではありませんが、痛みが走ります。庇いながら。
湿原が出ると、稜線の分岐は間もなく。
分岐を得、兎にも角にも東大巓へ。
大きい段差は右足で上がり、左足で下りるの繰り返し。足よ、堪えて。
ふ~、東大巓。
弥兵衛平まで行けるかな?と、ついつい欲が出て進みましたが・・・
膝の痛みを透して天の響、「山を貪るな」。此処を本日の山頂とします。
少し下り、見晴らしの良い処で、ランチタイムとしましょう。
吾妻の衆の慰撫、慰待に与って・・・
あっ、其処がよさそう。
吾妻の衆と語らう、ひと時。
(手前から、昭元山、烏帽子山、家形山、奥に一切経山、右手前に前大巓・・・)
(左に東吾妻山、右へ少し置いて手前、継森、奥に中吾妻山)
日本では、古来、山は神の鎮もる場処として、
また、生命の、魂の、原郷として聖視されて来ました。
修験者たちは、山の、自然のエネルギーを「験(しるし)として修める」ことで、
或いは祈願の飛躍、或いは「救い」と呼んでいい何かに触れ、
それを衆にもたらしたのでしょう。
新約書の主人公、イエスの時代も、山は祈りのために退く場処として、
また、神の啓示が行われる場処として聖視されていました。
連嶺、吾妻の衆の、薫然として真率、つつましやかに連なる様を前にすると、
イエスの山上の垂訓のくだりが、聞こえてくるかの様です。
(*専門家による聖書の訳文は堅苦しいので、お𠮟りを覚悟の上で、ちょっと私流の言葉に。)
~「イエスは山に登られると、坐って、弟子たちにお語りになった。
『幸せだね、心の貧しい人は!天の国はその人のものだよ。
幸せだね、悲しんでいる人は!だって、慰めてもらえるんだもの。
幸せだね、柔和な人は!その人が地を受け嗣ぐんだ。
幸せだね、義を切切と求める人は!その人はきっと満たされる。
幸せだね、憐れみ深い人は!もっとその人は憐れみをうけるだろう。
幸せだね、心の清い人は!その人の目に神はまざまざとお顕れになる。
幸せだね、平和を造る人は!そんな人を神の子と呼ぶんだよ。
幸せだね、義のために迫害された人は!天の国はその人と共にある』。」
(マタイ福音書第五章1~10節)
そして、
幸せだね、山に登る人は!その人は・・・・・・。
情報・技術が氾濫し、貪欲と暴力とが跳梁跋扈する世界。
山に遊ぶ者は、その生命の恵みに触れる者は、
手前勝手な「豊かさ」を超え、神観の純化・深化へと招かれている、
そう思えてなりません。
いい時間を過ごせました。感謝。
さて、道程は、あと半分。あの最奥、一切経の、その先を目指して。
足よ、堪えて・・・
何とか、すたこら?昭元山。
振り返って・・・そうそう、こんなシ~ンあったっけ。
12年前の記憶が蘇ります。
烏帽子山を頂きました。両足に、感謝。
しばし、眺覧。
先ほどの谷地平が眼下に。
ニセ烏帽子、通過。
黙々と、黙々と?家形山。
吾妻の瞳、五色沼が見えて来ました。
相変わらず、チャーミング。
磐梯山に鼓舞され・・・
一切経山へと、ハァハァゼェゼェ。
ふ~、辿って来た稜線に、感慨。
吾妻の瞳に礼敬、いとまを告げ・・・
そそくさと?浄土平へ。足を労わりつつ・・・
吾妻小富士が見えると、終点は間近。
左足を庇って、護って、堪えてくれた右足君、お疲れさま。ありがとう。
無事の下山、
薫然の山路に
感慨、感謝、感謝。
fin