あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山/裏からの径 2010年5月8日

 五月晴れです。

 久し振りに磐梯山を裏から登ってみることに。

 いつからこの一帯を「裏」磐梯と呼ぶようになったのでしょうか。
 現在の馬蹄形カルデラが出来、
 大小200余りの湖沼群が成ったのは
 明治21年の小磐梯を吹き飛ばしたという大爆発に因るもの。
 「裏」という言葉の響きには、
 物理的な照明の多寡以上に、物のかげ、表立っていない、
 隠れている方(にあるもの)といった心象の負があり、
 当時犠牲になられた多くの方々への
 鎮魂の風韻が漂っていると感じるのは私だけでしょうか。

 裏からの径は噴火口を歩きます。
 「噴火口」とは言え、
 噴火からの時間の経過によって逞しい樹林を成しており、
 進行方向に立ち塞がる火口壁を見なければ、
 その言葉のイメージとのギャップに困惑させられます。
 でも、一歩そこを抜ければ、この山の「歴史」に引き入れられ、
 屏風の如き火口壁に、
 大地の意志をひしと感ぜしめられることでしょう。
 この山の「破れ」をなぞる一歩一歩は
 いつしか自身の破れとの対話へと昇華してゆきます。

     
 気の置けない山の悠々闊歩は、心身の調子を戻してくれます。

    


五月の空です。山頂が呼んでいます。裏磐梯スキー場を出発です。
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櫛が峰も青空に元気一杯。
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ゲレンデから噴火口を辿るコースに入ります。
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いい色合いの、心の寂まる沼があります。
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樹林を抜けると火口壁が迫ります。
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櫛が峰。
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左上に天狗の岩。
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向うに行くと有名な「イエローフォール」のポイントがあります。
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火口壁を上りつつ天狗の岩にご挨拶。
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振り返ると、飯豊が鮮やかに!
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火口壁越しに西吾妻山
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櫛が峰。つい先程、「ダーン!」という大音響と共に岩石が落ちていきました。
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火口壁を上り了え、本峰に見(まみ)えます。
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天狗の岩。
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今日はゆっくりゆっくり行きます。
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良かった~。弘法清水小屋は営業しています。
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飯豊、今日は何て優しい風貌でしょうか。
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月山も見えます。
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弘法清水小屋で。登山を始めて2年目というS藤さん。最近、若い方の間ではアウトドア志向が高まり、登山が流行りだとか。最新のファッション、キマッてますね。
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なめこ汁、お茶にコーヒーとたっぷり飲んで食べて、吉田さんご馳走様でした。やっとこさ重い腰を上げて山頂に向かいます。
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東壁も春仕様になってきました。
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雪が全部取れてしまうとちょっと寂しい気が・・・。
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飯豊連峰。先週踏んだピークに感慨一入。(右に飯豊本山、中程に御西岳、そして左に大日岳。)
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桧原湖。奥左に朝日連峰、右に月山。
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山頂の祠と猪苗代湖
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ちょっと人相が?の筆者です。(笑)
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会津盆地と会越国境の山々。
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吾妻の連嶺をバックに櫛が峰。
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猫魔スキー場、そして奥に飯豊連峰。
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「のぞき」から沼の平と赤埴山。
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弘法清水小屋でコーヒーをいただき、下山に。往路を戻ります。
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本峰をパチリ。今日の櫛が峰は風が強いので此処・大岩で写真を撮って終りとすることに。
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銅沼。
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火口壁越しに西吾妻山
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火口壁を下ります。
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もろい地質なのでこの鉄杭は有り難いです。
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櫛が峰を振り返り。
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西吾妻を望む。
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天狗の岩。また来るね。
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裏磐梯スキー場。目は右に左にフキノトウ。晩のおかずにと。
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ともに下山を忘れてフキノトウ採りに夢中だった登山者の方。お元気で。
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