あるく

~山の恵みの備忘録~

片曽根山へ。2011年4月10日

 
昔、道元禅師は山水を讃えて、曰く、
而今の山水は古仏の道現成なり
ともに法位に住して究尽の功徳を成ぜり
空劫以前の消息なるがゆえに而今の活計なり
朕兆未萌の自己なるがゆえに現成の透脱なり
山の諸功徳高広なるをもて
乗雲の道徳かならず山より通脱す
順風の妙功さだめて山より透脱するなり 』と。
正法眼蔵』、「山水経」より)
 
同じ日本人ながら、精確に意を辿るのは至難の業。
久保田展弘氏の意訳にたのめば・・・、
 
「いま、目(ま)のあたりに見る山水には 
古仏(祖師方)の道(教えが実現している。
この山水は山は山として、水は水として、
ともにその本来の生命のありかたを全うし尽している。
しかもそれは、世界が世界として形成される以前のありかたであるから、
まさに目のあたりに見る活きた生命の姿である。
また、自己が自己として萌さない純粋な自己であるから、
なにものにもとらわれない自己が、ここに貫かれている。
こうして 自己と一体といってよい山の功徳は、 果てもなく高く広い。
高くは雲に乗って天空へと昇ってゆく仏道の功徳。
広くは風にまかせて自在に飛びまわる妙なる功徳。
このいずれもが、必ず山からはこばれ、山からそのままつらぬき、
もたらされるのである。」
 
道元さんが「古仏の道現成」とまで讃い上げた「而今の山水」は、
哀しいかな、放射線によって汚され、登山などという振る舞いも、
この辺りではもう、疎外されてしまった感があります。
 
放射能シンドロ~ムと呼ぶべきでしょうか。
F・U・K・U・S・H・I・M・A・・・
この名は、世界中の人々の憂いとなりました。
放射線に怯え、~マイクロシ~ベルトが防災無線に流れるや、
萎縮です。
山への motivation はブル~に染まり、 
意識には無気力が沈殿して層を成し、・・・。 
 
~とまぁ、でも、腐ってばかりでは頂けませんね。
ちょっと息抜き、慰安を求めて、裏山へ行って来ることに。         
 
       
 
 
  いざ、片曽根山へ。天気は良いのですが、ちょっと霞みがち。 
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  登山口の田村市船引総合福祉センタ~です。
  所長の K さんにご挨拶をして行きます。 
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  Kさんです。田村や郡山の名桜、
  そしてたくさんの山々の名ショットをものにしておられます。
  その一部はこうしてセンタ~内に展示されています。 
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  久~し振りの山歩き。ちょっとブル~を引き摺りながらも、
  木々の間の小径を軽快に。 
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  山頂展望台から。鎌倉岳を望みます。
  あそこからは、あの福島第一原発がちょこっと見えたような・・・。 
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  そして、移ガ岳と田村市船引の市街。 
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  反対側には高柴~黒石~鞍掛の三兄弟が。
  のんびりコーヒータイムを満喫。 ブル~な気持ちも解れて。 
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  フキノトウは元気一杯。
  元気のお裾分け、感謝です。
  「原子力カァ、一体、人間ハ何ヤッテルンダカ 」、
  ・・・はい、愚かです。 
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  春だぞ、春だぞ、・・・
  山もだんだんその気になってきました。 
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  蝶の安息のひと時。 
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  大滝根川。 放射線など我関せず、・・・かな。 
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  Fin