『前編』からの続きです。
湯川渓谷の紅葉に欣幸の至り。
このまま帰ってしまってもよいのですが、
折角此処まで来たのです、
やはり山頂に挨拶をしないで帰るわけには
いきませんね。
くろがね小屋から、山頂へ。
震災の爪あと。
峰の辻。
安達太良山頂。いつもの疾風にただ閉口。
ちょっと気取って、私。
牛の背経由、烈風の迎候。
風下を向いてカメラを準備、一、二、の三で風上を向き、
懸命のショット!
とても稜線には居たたまれません。
さっさと矢筈が森から下がります。
山頂付近、時折の薄日も束の間。
籠山には陽が当たるのですが。
鉄山に真向かえば、くろがね小屋は間近です。
馬の背の稜線が見えます。
再び、くろがね小屋に寄ってラ~メンタイム。
暖かなスト~ブ、小屋番子の篤いもてなしに
しばし温もります。感謝。
お腹も心も満タン。小屋にいとまを告げ、渓に分け入ります。
渓には清冽、水の赦し、・・・
水のようにうたいたいな。
ばらばらにかけずって、疲れない。
彩艶の径こみちをのたりのたり。
水に聴けば・・・
・・・語り始めます。
ほねおることも、紡ぐこともしないのに、
このように装われ。
・・・だから、
『あすのことを思い煩うな。
あすのことは、あす思い煩えばよい。
その日の苦労は、
その日だけで十分・・・』。
無事の下山、感謝。
Fin