『大日岳/還魂(二)』からの、続きです。
翌、20日。3時少し過ぎに起床。
お湯をそ~っと沸かし、先ずは、コーヒー。そして、朝餉の準備。
疲れもだいぶとれ、体調は無問題。予定通り、大日岳を目指すことに。
お腹は満タン。ヘッデンを点け、いざ。
文平の池を過ぎて、空は白み、消灯。
てくてくと歩みよる形影に、大日岳は親昵で応えます。
山頂直下で、ご来光。
地平に雲の層があり、拝めないかな?と思っていた朝陽が、間隙から。
ときの間の幸いに与りました。
やっとこさで、頂稜にのり…
大日岳を頂きました。
こうして、此処に起つことがゆるされた幸いに、
感恩が溢れます。
すべてのことに、感謝。ただ、感謝。
お山の幸いは、その真諦は、見ることにではなく、その運歩にこそ。
それは、風光の明媚を享楽することにではなく、
働くこと、歩を創造することにあるのだと、しみじみ。
それはつらい、けど、愉しい。
そこには、歩く幸せ、いのち溢れるよろこびがあるのです。
山岳植生を透して、宇宙の秘奥に繋がる、合わせられるよろこびが。
一歩、一歩に幸あれかしと、祈ります。
(かろうじて?標柱に燈明が点されました)
しばし、眺覧、周覧、黙想のひと時。
うねうねとした山阿、山曲に、山精が充満。
飯豊の慈愛に、合わせられます。
お山の祈りは、"Grace be with you".
さて、そろそろ御西へ戻るとしましょう。
御西小屋に戻って、てきぱき、パッキング。
羽田さんに礼し、小屋に礼して、出立です。
大日岳の信実に歩を合わせて。
わたしのハイロマンス、草月平を、のたりのたり。
白鯨もまた、その体はなく、ただ呼ばわる響のみ。
飯豊の衷誠、御鏡ノ雪。
玄山道分岐着。ここからちょいと歩いた処に湧き出ている、弘法清水。
とくとくと、有難く頂戴しました。
この辺りの荒れ、崩壊が進行しています。
これを如何にかしなければと…
先日、9/8-10の日程で、合同保全作業が実施されました。
参加されたみなさん、ご苦労様でございました。
私は、生憎、所用あって参加がかないませんでしたが、施工後の様子を、
少しく紹介させて頂きます。
~流水を如何にもして制御したい、との思いがかたちに。
振り返れば、お山の呼ばわる響、
"天を仰げ、天から生きよ。新しく創られることこそが肝心なのだ"と。
飯豊山を頂きました。記念にパチリ。
深~く息を吸って、いざ、大嵓尾根。
このスカイラインを、遥々と、歩いてきました。
飯豊の慈愛と峻厳。
いよいよ、切り歯の尾根。凛として、宝珠山。
(大岩沢の先には、大丸森山)
昨年と違って、道刈りがよく施され、不安なく歩けます。感謝。
あそこが、いつもの休み場処。
宝珠山の巌頭に起って、眺覧、周覧のひと時。
お山と、しばし、語らいます。
ウメバチソウのエ~ルを押し頂きます。
宝珠山ノ肩にて。
暑いのと、涼しいのとでは大違い。
ゆっくり、慎重に歩いたこともあり、体調は無問題。
下っているんだか、上っているんだか判らないミステリーワールドも
苦になりません。千本峰へ。
此処まで降れば、休場ノ峰は直ぐ其処。
このシ~ンを目に焼き付けて、後は、すたこら。
急斜面を転げ落ち?ポ~ンと、吊橋の前に投げ出されれば、
山路は了わりです。
ダイモンジソウの懇ろな労いに与って、ほっこり。
後は林道を、天狗平へと。
無事の下山、
還魂の山路に、
感謝、感謝、感謝。
Fin