あるく

~山の恵みの備忘録~

安達太良/安愉 2018年9月28日


 今日(9/28)は、安達太良へ。
 土日は、前線や気圧の谷の影響を避けられそうもなく、台風まで。
 なら、行けるときに行ったほうがいいかなと…近場へ。
 塩沢登山口から、湯川渓谷に逍遥、矢筈森を経て、鉄山の岩頭に独座。
 遊息のひと時に恵まれました。

 朝イチで用が発生、それを片付け、いそいそと塩沢スキー場の駐車場へ。
 土日じゃないとはいえ、この時間で、先着が1台とは。

 雨があったせいで、初っ端からぬかるんだ道。長靴が誇らしい?
 なぜか、『三階滝』へ降るポイントを逸してしまい、いつのまにか、屏風岩。
 『相恋ノ滝』に、見参です。
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 上善如水、…水の謙廉に合わせられます。
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 少し進むと、『八幡滝』。
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 親昵が、沁みて来ます。
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 沢の傍らを、水の精と語らいながら。
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 丸木の橋を、左岸へ、右岸へと行きつ戻りつ。
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 水の精の、翔逸、翔躍、翔舞に、
 しばし、見惚れます。
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 樹々も光を浴びて、うれしそう。
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 沢とわかれ、奥岳からの径が合わされば、直に、くろがね小屋。
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 小屋前で、ひと息入れ、峰の辻へ。
 ここを、一気に、あの馬の背へと突き上げた昔がなつかしいなぁ。
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 峰の辻着。
 集団登山の御一行が休憩中。風もなく穏やか、いい日に登れて良かったね。
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 本峰は寄る気なし?矢筈森経由で、鉄山を目指します。
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 主脈に起って、沼の平。大地の懊悩の痕跡。
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 矢筈森から、鉄山。
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 矢筈森の岩塊と、言葉を交わしながら。
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 あの、岩頭へ。
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 ふ~、鉄山の岩頭に起ちました。
 おにぎり、カップ麺を食しながら、眺覧、周覧。安達太良の響に、
 耳澄ませます。
 
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 "質、文に勝てば即ち野。文、質に勝てば即ち史。
 文質彬彬として然る後に君子"
 とは、孔子の言葉。(『論語』雍也第六)
 大意を酌めば、―
 もし、素朴の要素が文明の要素の上を越すならば、即ち野、
 それは田舎びた、不十分な生活である。
 逆に、文明の要素が素朴の要素に勝ちすぎるならば、即ち史、
 あまりに言語的、また文化的に縛られたゆとりのない生活であろう。
 要するに、素朴と文明のどちらかが勝ちすぎても、円満な生活ではない。
 文と質とが彬彬、つまり、うまく均整がとれてこそ、然る後に、
 はじめて紳士なのだ、と。
 ~あるいはもっと敷衍して言えば、人間らしい人間なのだと。

 今日の文明は、"原発"やら"AI"に象徴されていますが、
 生産性向上、「情報有機体」などと囃し立てて、貪欲が支配
 人間は疎外され、地に塗れているように思えてなりません。
 人間はデジタルの、機械の部品なんかじゃない、それは、山に登れば、
 容易にわかることです。
 「俺だ、俺だ、俺だぁ」と、近代主義は、
 『生きた自然』と『伝統的な価値』という、二人の教師と絶縁しました。
 この二人の教師から学べと、足は促しています。


 "然うだ"と、お山は肯います。
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 いい時間を過ごせました。
 後は、すたこら、往路を復します。

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 本峰に、いとま。
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 (峰の辻から、福島市
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 (くろがね小屋から、馬の背~鉄山)
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 (再び、湯川に客となって)
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 (塩沢スキー場のゲレンデに戻りました)
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 無事の下山、
 山路の安愉に、
 感謝、感謝。


 Fin