あるく

~山の恵みの備忘録~

大日岳/慈憫(三) 2018年7月16‐17日


 『大日岳/慈憫(二)』からの、つづきです。


 御西小屋の管理には小国山岳会の草刈さんが入っておられました。
 昨夜は、シミケンさんもおられ、さぞ賑やかな?宴だったことでしょう。
 受付を済ませ、先ずは、水汲みに。


 沁みてくる、衷情
 お山の祈りは、いつも、"Grace be with you".
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 水場がもう露出しています。降る途中、雪がからむのかな?と、
 心配しましたが、杞憂。無問題。
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 水場からの大日岳は、なかなかの勇姿。
 どうぞ、水汲みに出向く際は、カメラを忘れないように。
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 ありがたい、生命の水です。
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 小屋に戻って、着替えを済ませ、あらためて、北股の衆にご挨拶。
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 小屋の周りも、今年は、コバイケイソウがにぎやか。
 ちょっと、やにさがっているかな?大日岳。
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 小屋もトイレ棟も、たまには、彩りを添えて。
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 無事の到着を、磐梯山に感謝。
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 さて、本日は、泊り客も少なく宴会日和?
 ということで、管理人の草刈さんと、食材を持ち寄り、
 焼酎、ビールで、一献かたむけることに。
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 昨日、牛タンの差し入れがあったそうで、私は何て運が良い?(笑)
 同宿のご夫婦も交えて、座談、閑談の愉しいひと時に。
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 ありがとうございました。
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 ほろ酔いの、夕照。
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 色めく雲の優雅な舞が、疲れを熔かします。
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 7月17日、朝まだき。
 3時半起床。
 ちょっと寝坊したので、そのまま、雨具をひっかけ、いざ、大日岳へ。


 文平ノ池を過ぎる辺りから、だんだんと空が、白んできました。 
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 飯豊山~草履塚~種蒔山の梁が朝陽にうかびます。
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 キスゲのエ~ルを総身に享けて、いざ。
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 風にまかせて、雲が次々と。
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 ふ~、頂稜にのり…
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 大日岳を頂きました。風に祝福され、標柱にタッチ。
 
 一歩、一歩が、この貧しき土塊を、この頂へと導いてくれました。
 一歩、一歩に、心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くしました。
 一歩、一歩は、信頼であり、希望であり、愛でありました。
 一歩、一歩の、そのひとすじの気持ちこそが貴いのだと、お山の響。
 
 感恩が溢れます。
 
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 しばし、眺覧、周覧。
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 心むなしくし、雲のすることを、ながめます。
 湧いては消え、風にまかせて、自在に、生き、うごく…
 まるで、心をうつす鏡のよう。
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 ご来光はあきらめていたら、憐れんでか、陽精が、ひょっこり。
 「暑いのは、おいらのせいじゃないんだぜ」と。

 下界に蔓延する、「うんざり」。
 天に唾すれば、その唾は自身にかえってきます。
 人間がないがしろにした自然が、人間をないがしろにする 
 未曾有の豪雨に、終りの見えない猛暑。誰もが「うんざり」でしょう。
 政治の世界もそう、
 モリ・カケでは、大噓、詭弁、言い逃れ、開き直りに論理のすり替え、…
 当の本人は、平然と、ほくそ笑んでいる。
 これに「うんざり」しない、厭気がささない人がいるでしょうか。
 どれもこれも、正義を愛さない、利を貪る心に発しています。
 「命にかかわる危険な暑さ」だと、かまびすしい。
 それが今のこの文明の本性なのだと、私には、思えてなりません。

 "Make up your minds whether you want to die economically
 or survive uneconomically".(from "Good Work")
 とは、Schumacherの言葉。
 訳者の達意をかりれば、――
 「経済の原理に従って死にたいのか、
 それともその原理にあえて抵抗して生き残りたいのか、
 ここで腹を決めてもらいたい」。
 この、何十年も前の警世の言葉が、胸に突き刺さります。

 
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 風よ、雲よ…
 お山の祈りは、"Grace be with you".
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 あまり長居もしていられません。
 山頂に礼して、おいとまです。

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 途中、道刈りに向かう草刈さんとバッタリ。
 お世話になりました。
 保全でまたお会いしましょう、どうぞ、お元気で。
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 御西の小屋に戻りました。
 お腹空いたぁ~。
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 同宿の方にお願いして。
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 愉しい時間を、ありがとうございました。
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 コバイケイソウの目送に与り、出立。
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 白鯨と語らいながら。
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 ウスユキソウに礼すれば、大きなエ~ル。
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 キスゲは、大合唱。
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 白鯨の言葉に、耳澄ませば…

 ”かなしいのでもいい
 よろこばしいのでもいい
 こころは
 うごいておれよ
 なまなましく
 かんがえておれよ”


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 ここは、わたしのハイロマンス、草月平。
 白鯨が天使と睦む、桃源の世界。
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 駒形山を過ぎると、雲が退き、北股の衆。
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 飯豊の山頂にいとまを告げて。
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 そして、イイデリンドウにも。
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 あとは、すたこら。
 大日岳と語らいながら。
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 "Grace be with you".

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 種蒔山で、カメラのバッテリー切れ。
 以降、画像無し。
 三国小屋手前で、新潟の小柴さんと、スライド。
 三国小屋で、ひと息。金子さんと歓談、四方山話。
 
 
 すべてに護られ、
 無事下山。
 慈憫の山路に、
 感謝、感謝、感謝。


 Fin