『その3』からの続きです。
飯豊山頂着。
雲をはらって呼ばわる、大日岳。

山はいいなぁ。
気持ちが貫けている。
総てがエ~ル。
言いわけも、議論も要らない。
ただ仰げばいい。
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、
そして力を尽くした者が、
”山を頂く”。
そのエ~ルは、尽きることなく、
挫けることなきものとして、
備えられている。
大地の天辺は、宇宙へとつながります。
”山へ、そして山から生きる者は、
天から、そして天へと生きる者”。
雲を払って、
お山はそう語っている。

あの稜線を遥々と歩いて来ました。

足が総てを記憶しています。

さて、見参、ダイグラ尾根。
”厳しさが人を救う”。

これまでの道程、
その総てがエ~ルとなって注がれます。

御前坂の途中から、宝珠山。

ハァハァゼェゼェの宝珠山、
道刈中のkonchangに追い着きました。
”ご苦労様~”。
草刈機を回し乍らの足元不如意、とても私には・・・。
塩アメと甘納豆を差し入れ、先へ。

無事の作業の完了を祈りつつ。
konchang、また飯豊で会おうね。

あそこまで行って息みましょう。
ファイト~!

宝珠山の最高点に起って、見晴らします。

降りて来た尾根の先に飯豊の山頂。
静かに仰いで、
"See you, later"。

大日岳と交わす目礼、"Good luck to you"。

そして北股の衆と。

杁差からもエ~ルが届き、
快哉を叫んでいたら、何やら雨粒・・・。

初めは”濡れて参ろう”と、粋がっていましたが、
宝珠山ノ肩に着く頃には本降りに。
これはたまらんと、慌てて雨具を装着です。

雨はシトシト、ザァザァ、パラパラを繰り返し、
はたまた気紛れに止んだりもして、翻弄。
千本峰へ。

ああ、あそこを攀じ登るんだよなぁ・・・
ツライのって、しっかり覚えているなぁ。

休場ノ峰が近づいて来ました。
手前にあるこの岩場は殊の外眺望に優れます。
丁度雨が小降りになり、カメラを出せました。
宝珠山がツンと尖ってエ~ル。

クサイグラ尾根の向うに梶川尾根。

直ぐ其処が、休場ノ峰です。

まみ沢と烏帽子沢の雪渓を従え、重厚な烏帽子岳。
束の間の眺望に、陶然。

休場ノ峰に一息。来し方を顧みます。
雨足もあり、吊り橋まで一気にと、気合を入れます。

緊張の連続、その果てに、
やっと檜山沢の吊り橋、ダイグラの終点です。
アブさんたちの大歓迎の中、凱旋。
この尾根は上りも下りも、いつだってヘロヘロ。
でも、不思議と、快感です。

雨に打たれながら、
アブさんとジャレたり、喧嘩したりで、
天狗平へ。
無事の下山、
愉快な出会い、
寛厳の陶冶に
感謝、感謝、感謝。
Fin