あるく

~山の恵みの備忘録~

飯豊周行(三) 2017年10月8-9日


 『飯豊周行(二)』からの続きです。



 明けて、10月9日。未明。
 空には月天子。
 足が回復したので、大日岳の頂を目指すことに。
 朝食をしっかりとってから発とうと思っていたのですが、
 4時にもまだならぬうちから、一人、また一人と、
 ヘッデンを頼りに闇の中へと続きます。
 負けられないなぁと?私も、つられて、
 いざ、大日岳へ。


イメージ 1


 ヘッデンの電池残量が少なくなったのか、
 光量が弱く、足もとがやや不如意。
 (ちゃんと予備は持っていますよ)
 ゆっくり行きましょう。


 東方の空が明るみ始めると、雲がどしどし生まれてきます。
イメージ 2


 時折の雲の切れ間に、朝のドラマ。
 陽精のエ~ルに応えます。
イメージ 3



 雲気、雲興、雲裏、――黙々の運歩の末に、
 大日岳を頂きました。
 感謝、感謝、感謝。
 すべてのことに、感恩が溢れます。

 しばらくたたずんでいると、陽精が雲を薄くして、祝福。
 "Grace be with you".

 何も見えずとも、此処に起つだけで、
 見えないなにかがわたしのこころをみたしてくれます。
 歩くこと、歩きつづけること、それがすべて。

イメージ 4


 山頂に居合わせた方にも入っていただき、記念写真。
 にぎやかにしてくださいました。
イメージ 5




 "われよべば
 みえきたるものあり
 わがよぶは
 みえきたるもののこころのうごきゆえならん
 もったいなしととなえんか"
 八木重吉




イメージ 6


 あまりゆっくりはしていられません。
 朝餉はまだだし、ダイグラ尾根が待っているのですから。
 さあ、御西へ、戻りましょう。


 陽精と、間々、語らいながら。
イメージ 7



イメージ 8




 御西小屋に戻りました。 
 急いで、朝ごはん。
イメージ 9



 そそくさと朝餉を済ませ、苦手なパッキング。
 了えて、管理人の羽田さんに入って頂き、記念に、パチリ。
 ほんとに、お世話になりました。
 どうぞ、お元気で。

イメージ 10


 御西小屋にいとまを告げます。
イメージ 11


 ガスの中、出発。
イメージ 12


 わたしのハイロマンス、草月平を…
イメージ 13


 のたりのたり。
イメージ 14


 こころがきれいになって、愉しい imagine。
イメージ 15


 白鯨は、小さくなって、再生への意思をもやします。
イメージ 16




 "みえきたらんとするもの
 よぶがゆえにわれもよぶ
 そのものわれによぶこころをうごかすごとし"
 八木重吉



イメージ 17


 御鏡ノ雪よ、飯豊の衷誠よ。
イメージ 18


 陽精の祝福に与かって…
イメージ 19


 飯豊山頂に起ちました。風が私を追い立るので…
イメージ 20


 すぐさま、ダイグラ尾根へ。
イメージ 21


 雲を抜けると、祝祭の山肌。
イメージ 22


 宝珠山もすっかり綺羅を飾っています。
イメージ 23


 ん~、絶景。
イメージ 24


 「どうだい、この晴れ着、似合ってるかい?」と、
 誇らしげに宝珠山
イメージ 25


 大岩沢も、大丸森山も、秋を渾身で讃いあげます。
イメージ 26


 さて、ダイグラ尾根。
 しばらく道刈りが施されていないため、草茫々で、足元不如意。
 特に、へつる処など、転落せぬよう注意が喚起されています。
 やはりというか、道が判然とせず、ヒヤリの連続。
 覚悟を決めて、ド緊張?
 
 休場ノ峰まで、
 上っているのか下っているのかわからないミステリーゾーンへ?
 突入です。

イメージ 27


 立ちどまっては、秋色に身を浸します。
イメージ 28


 あの岩峰が、いつもの息み場処。
イメージ 29


 吸いこまれそうな、絢爛。アブナイ、あぶない。
イメージ 30



 この手前、何でもない所で、つまずき、転倒。
 とっさに受け身で、ザックがクッションになり大事に至らず。
 でも、転倒、この尾根では初めてかな?
 気が緩んだのか、疲れなのか、足が思うほど上がりませんでした。
 要は、この尾根では、緊張よ常に、ということ。
 だらだら歩きは、通用しません。

イメージ 31


 でも、こんな景色の中を、とろけず、たるまず降るのは、
 至難の業です。
イメージ 32


 宝珠山の肩へと降り起って、振り返ります。
イメージ 33


 まだまだ続く、切歯の尾根。
イメージ 34


 おもしろいオブジェ。訴求力がありますね。
イメージ 35


 1499M峰、巻くことになります。
イメージ 36


 千本峰。
 斜面がいい色合い。
イメージ 37


 こんな中、緊張しながら歩けと言ったって…。 
イメージ 38



イメージ 39


 さて、手荒い扱いが待ち受けています。
イメージ 40


 息を切らせば、宝珠山のねぎらい、エ~ル。
イメージ 41


 岩場に上がれば、直ぐ先に休場ノ峰。
イメージ 42


 宝珠山が遠ざかります。
イメージ 43


 稜線は雲の中。
イメージ 44


 クサイグラ尾根を落とす烏帽子岳。威勢がいいなぁ。
イメージ 45


 休場ノ峰に起って、宝珠山にいとま。
イメージ 46


 後は紅葉黄葉を体に映し、転がるように…
イメージ 47


 ハァ~、困憊のため息とともに、桧山沢。
 吊橋が備わってよかった、よかった。有り難い。
イメージ 48


 桧山沢の懇ろなねぎらいに与り、途中の緊張は、
 溶けてしまいました。
イメージ 49



 "お疲れ様!"と、ダイモンジソウ。
 ほっこり。
 後は天狗平まで4km、よたよたと?歩きます。
イメージ 50


 無事の下山、
 慈護の山路に、
 感謝、感謝、感謝。


 Fin