『その2』からの続きです。
起きて早暁。
昨夜は、同道の士hasegawaさんや、
ダイグラの道刈のため入山した小国のkonchang、
そしてお隣さんの兵庫の方を交え、
愉しい語らいのひと時が与えられました。
感謝。
雨さえなければ大日岳へ、
そう思い定めておりましたが、
嬉しいことに月天子。
でも、大日岳には雲がかかります。
月天子の眼差しに庇られ、
ヘッドランプを頼りに、
兵庫の岳人さんと小屋を発ちます。
ガスの中、大日岳山頂へ。
時折、牛首山が見え隠れするのですが・・・。
雲に覆われた大日岳山頂が
足下に。
小さな歩運の一つひとつ、
その連延・連貫が、
この貧しき土塊を此処に起たしめました。
感恩が溢れます。
龍のごとき飯豊の連嶺が、
風を徹し、雲を透して語りかけます。
”見えるもの”にではなく、
”見えないもの”にこそ目を注げと。
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、
そして力を尽くした、そのことの誉として。
あるいはガスがきれるかと、二人で暫し待ちましたが、
共にダイグラ尾根が待つ身、長居は無用です。
少し下れば雲の端境、稜線に溢れ、零れる旭光。
雲が奏でる交響詩を聴きながら・・・
御西への径を戻ります。
牛首山が雲を解かれて、朝の挨拶。
晴れやかに、朝を謳う北股の衆。
縁あって大日岳をご一緒した兵庫の方。
ご健行を祈り上げます。
顧みすれど大日岳には雲。
直下の雪渓が、大気の新たな供給を受け、
雲の生産工場と化しています。
たおやかな径(こみち)、おおらかな運歩。
御西に戻れば、"お疲れさん"と、北股の衆。
小屋では、
既にkonchangはダイグラへ道刈に。
出発準備を了えたばかりのhasegawaさんは
貴重な生もの・グレ~プフル~ツを分けて下さり、
颯爽とダイグラ尾根へと発たれました。
続いて、大日岳をご一緒した兵庫の方も、take off 。
残った私は、朝餉の準備。
しっかり食べないと動けません、はい。
苦手なパッキングをこなし、
1時間遅れの出立です。
御西小屋前で記念に1枚。
羽田さん、"お世話になりました"。