あるく

~山の恵みの備忘録~

飯豊/懐恩(その4) 2014年5月4-5日

 
 『その3』からの続きです。
 
 

 黙想、大日岳。
 語られざる言葉を、お山は蔽う。   
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 『論語』に、
 「人の過あやまちや、各おのおのその党においてす。
 過あやまちを観て、ここに仁を知る」
 とあり。
 また、『歎異抄』には
 「善悪のふたつ、惣じてもって存知せざるなり。・・・ 
 煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのこと、
 みなもってそらごと、たわごと、まことあることなきに、
 ただ、念仏のみぞまことにておはします」
 と。
 
 孔子は人間の過失に範疇をたて、
 愛のためにあやまちをおかす君子と、
 残忍のためにあやまちをおかす小人とを分けたが、
 「仁を知る」に止まった。
 親鸞
 「なにが善であり悪であるかというようなことは
 おおよそ私の存知しないこと」とし、
 「すべてのことがみなそらごと、たわごとで、
 真実あることなどないこの世界で、ただ念仏だけが
 まことである」として、
 その帰趨を、念仏=祈りにおいた。
 
 そして、新約の主人公は、
 安息日の禁を犯して手のなえた人を癒すに際し、
 「あなたがたに尋ねるが、
 安息日に許されているのは
 善を行なうことか、悪を行なうことか、
 また、
 命を救うことか、滅ぼすことか」
 と、語られた。
 「人の子は安息日の主人である」
 と。
 
 敵意や偽り、過ちや悪しきの横行するこの世界。
 それぞれはどのような「祈り」に由っているのか。
 
 命を救おうとしてか、滅ぼそうとしてか、…
 善か悪かは
 コンプライアンス法令遵守)を超えて、
 其処で訣れるのだと、
 生命の山は語っている。
 
   
   
 
 
 やさしく頬をなでる風。 
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 ゆったりと飯豊の世界に沐浴ゆあみします。
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 去りがたいですが、
 そろそろ雪を採り、小屋に戻りましょう。
 水を作って、おさんどん。お腹を満たさねば。 
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 よい時間を、
 ありがとうございました。       
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 5月5日、朝朗。
 
 主稜線にガスを覚悟していましたが、幸いにも雲は高層。
 朝焼けの照りこそ遮られましたが、眺望は申し分ありません。
 でも降雨は避けられぬ様です。
 此処で存分に眺望を愉しみ、あとはすたこら
 下山するとしましょう。
 
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 峰から峰へと……
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 朝の挨拶が響き渡ります。 
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 同宿のスキー山行の方々とは別なお二人さん。
 どうやら一王子辺りで幕営された様です
 朝一で本社おむろノ沢へドロップ。こけるなよ~。 
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 天気が良ければ、
 駒形~御西をブラブラするのも一興ですが、
 お山はさっさと降れと促します。
 一宿の世話になった本山小屋にいとまを告げて。 
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 御前坂。
 朝の静けさに分け入ります。 
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 大日岳に見守られながら。 
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 磐梯山からの朝の挨拶、そしてエ~ル。 
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 カフェ御前坂はパスバイ。 
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 降るのは速い、早い。 
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 御秘所沢。 
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 お山の慈愛が蔽います。 
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 御秘所、そして草履塚。 
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 無事、御秘所を越え、
 本山の寛恵に浴します。 
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 『その5』に続く。