「その1」からの続きです。
頼母木小屋にしばし休憩、行動食。
疲れて、ちょっと弱気も。帰りのことを考えると、
此処で止め、のんびりもいいかなぁ・・・。
でも、ここまで来たんです。
初めの意志を大事に、兎に角、6時間は只管前進、
~と思い直します。
二王子岳からも、
「そう、初めのファイトを大切にしな」と。
小屋を後に杁差へと、爽やかな秋晴れの下、
稜線を悠悠と下ります。
地神山は、
「夕闇?心配すんな、帰りは俺が面倒見てやる」と、
背中をポン。
大石山が迫り、近しく角度を変えたエブリ。
結構な標高を落として、大石山に。
復しを考え、ちょっと溜息。
ここからさらに、鉾立峰との鞍部まで標高を落とします。
鞍部に起てば、迫る鉾立峰。
喘ぎ喘ぎで鉾立の山頂へ。
タイムリミットの6時間まであと少し。
さあ、ギアチェンジ?。
でも、ちょっと一息、
アゴク峰を擁する尾根を見遣ります。
エブリの頂稜にのれ、
何とかちょっとの遅刻で山頂に起てそうです。
鉾立の峰が祝します。
深呼吸して、越し方、何という贅沢な光景。
地神山の遙か後方、一帯の空気を統べる飯豊のお山が、
エブリが、北の果ての一党、鎮めたることを宣しています。
豊かな連貫連接…、精魂の連帯。
大好きなお山に囲まれた藤島玄さんのレリーフ。
お山へと生き、お山から生きた大先達。
二王子岳や、アゴクの峰が優しく庇ります…。
エブリの小屋が、直ぐ其処に。
杁差岳山頂に起ちました~。
飯豊の連嶺を背に私。
あらためて、杁差岳避難小屋。
千本峰を戴く権内尾根。
そして、遊びたくなるような長者平。
飯豊の峰々…
その交響。
イイデの空気が…
すみわたります。
頼母木に侍かれて、地神。
じつに堂堂。
そして、包容の飯豊。
日暮れが早いこの時季、鉾立が「早く発て」と促します。
大熊尾根の流麗。
いつか泊まりたいな。
鉾立への登り返しに、忙しい心肺。
峰にはまた、交響。
お山の心が・・・
惜しみなくこの形影に注がれます。
貫禄の眼差し、地神山。
鉾立に名残を惜しみます。
エブリにいとま。
さてこの稜線。
往きで延々とラクをした分、復しは、当然、
延々と帳尻を合わせることに。
でもこの上天気、脚は悦び苦にしません。
地神山からの大きなエ~ル。
爽快の、稜線漫歩。
お山と言葉を交わし・・・
目を前後に愉しませ。
一歩、一歩、また一歩と。
まずは頼母木の小屋へ。
「その3」に続く。