あるく

~山の恵みの備忘録~

群像/飯豊の保全[後篇] 2017年9月9-10日

 
 『群像/飯豊の保全[前篇]』からの続きです。
 
 
 オリエンテーションを了え、いよいよ作業開始です。
 
 さて、作業には土嚢袋に入れる土が入り用なのですが、
 今、安定している上土は、微妙なバランスの上にあるので、
 そこから土砂を採るのは御法度。
 その為、上から流されて沢床に堆積している土砂を採取し、
 人海戦術で、稜線に上げることに。
 急斜面に踏ん張り、土嚢袋に入れられた土砂を手渡しで上へ。
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 次は、この土に石と椰子繊維をブレンドして土嚢袋に入れ、
 工区へと担ぎ上げます。
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 石も土砂同様、安易に採取はできませんので、
 ケルンの石を利用します。
 土嚢袋に、各自、身分相応?の量を積めて。
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 上の現場に石を上げるのは、大変な重労働です!
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 上の現場に石を降ろしては、ケルンに戻り…
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 そして、再び石を土嚢袋に詰め込んでは…
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 上へと担ぎ上げる。その繰り返しです。
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 傍らでは、飯豊保全大魔神、リョウくんが、
 新たな道を豪快に伐開。
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 そして、伐り出された笹をせっせと運び出しては…
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 此方で、括り、利用します。
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 黙々と、そして、あるいは笑いながら?
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 この道は、これ以上侵食が進むと、
 取り返しがつかなくなるので廃されます。この道に…
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 これ以上、侵食が進まぬよう、
 担ぎ上げられた石や土や椰子繊維をブレンドした土嚢を用いて、
 手当てを施します。
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 まずは、伐り出された笹を利用して深く掘られた箇所を埋め、
 さらに岩や椰子繊維を詰めて、水勢を弱め、侵食を防ぎます。
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 そして、その上に土嚢をのせて固定する。――
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 大日岳は、笑んで、この様子を見守っています。
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 新道の伐開もおおよそ了えた様です。
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 あらかた見通しがたったので、この場は他班にお任せし、
 4班は柴田班長と、さらに上の工区へ移動。
 
 この箇所は流水で抉られており、水量を減らさねばなりません。
 導流工で、水を笹薮へ流す、分散排水を図ります。
 水勢を利用したラインに、ブレンド土嚢を並べ、
 踏圧を慮り、麻ネットを二重に重ねた上で、金網で巻きます。
 (↓は仮縫いの状態。麻ネットの到着を待っています)
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 そして、
 排水する先に落葉などが詰って水が溢れないよう、
 少々、笹薮を刈り込みます。
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 また、侵食で掘られた箇所には笹を敷き詰め、
 その上に、ステップを兼ねて土嚢を設置します。
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 上手く踏んでもらえるよう、位置を調節。完成です。
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 みなさん、作業を終え、上の現場に集まって来ました。
 「ふりかえり」と称し、上の現場から順に、
 班長さんより、作業の意図、成果についてお話し頂き、
 質疑応答となります。
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 みんなが揃うのを待ちつつも、一仕事了えた安堵が漂います。
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 班長さんから作業の意図につき説明を受けます。
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 それぞれに工夫のあとが。
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 この通せんぼの先が今までの登山道。
 これからは左へ折れることに。
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 さて、「ふりかえり」を終えて、集合写真。
 みなさん、良い表情です。
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 井上さんや、平野さん、
 そして、川端さん、菊池さんから、講評。
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 それぞれのお話に耳を傾けます。
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 これにて、保全作業は終了、散会です。
 ほんとに、みなさん、お疲れ様でございました。
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 さぁ、小屋へ戻りましょう。
 お山の慈顔、ねぎらい、エ~ルが注がれます。
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 それぞれの成果を味わいながら。
 
 石組で流水の方向をコントロール
 水勢を落とします。
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 ケルンの石もこうして利用されれば本懐というもの。
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 上手く水の流れが分散されますように。
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 登山者のみなさん、
 どうぞ、やさしく踏んで下さい。
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 水の良識を?信じます。
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 お山に、いとまを告げて。
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 カンバくんの、鄭重なるねぎらい。
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 三国小屋が、見えて来ました。
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 三国小屋に戻れば、大日岳からも鄭重なるねぎらい、
 "Grace be with you".
 
 "作業が護られ、ありがとうございました"。
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 一人、弥平四朗口へと下りられる中条山の会の水澤さん。
 お疲れ様でした。
 管理人の金子さんと一緒に、パチリ。
 いつか、門内小屋に泊りに行きますね。
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 小国山岳会、大江山岳会のみなさんも準備を終え、小屋の外へ。
 喜多方山想会の宴会部長?岩渕さんも交え、記念にパチリ。
 金子さん、ありがとうございました。
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 さて、みんな猛者ばかり。剣ヶ峰をすたこら。
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 七森からのエ~ルを頂戴しながら。
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 三国岳に、いとまを告げます。
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 井上さんと吉田岳さんは五段山経由で大日杉へ、ということで
 分岐でお別れ。
 そして、お話の尽きないみなさんのお邪魔をしてはと、
 私は長坂を先行させて頂くことに。
 
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 森の精霊たちのねぎらいが、うれしい。
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 そして、大白布の沢のねぎらいも。
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 無事の下山、
 参加されたお一人、おひとりの献身に 
 そしてお山の寛恵に
 感謝、感謝、感謝。
 
 
 Fin