あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山/懐隠 2017年9月22日

 天狗岩が、憐れんで、姿を見せてくれました。
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 今日(9/22)は、磐梯山へ。

 磐梯山に登りたいという、一知友の思いに応え、
 案内させて頂くことに。
 気象庁の天気分布予報を見て、「???」。
 周囲はみんな晴れ表示なのに、ポツンと、磐梯山エリアだけが曇り。
 どうせ外れるだろうと高を括りましたが、何と、大当たり。
 生憎の天気、
 ただただ、歩運に終始となってしまいました。
 初めての心象に、お山は何を印したでしょうか、…。



 猪苗代のコンビニに着くまで、お山は際やかでしたが、
 買い物をして猪苗代スキー場に着く頃には、雲が統べります。
 でも、どんな天気も、山の恵みです。
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 ハァハァゼェゼェ、ゲレンデトップに到着。
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 「ハァ~、オレはもうこごでいい~」と、
 弱音を吐くsakumaさん。
 そんなこと言えてるうちは、まだ大丈夫!
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 なんとか、てくてく、沼の平。
 いつもの場処で、ひと息。
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 『三合目』に着くも、ガスはますます濃く。
 天狗岩の響だけが確り、"天を仰げ、天から生きよ"と。
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 「靴は?」との問いに、「長靴でいいよ」と私。
 でも、岩累累、ゴロゴロの道は、長靴には薄情、心無い?
 自然と長靴にやさしく、足に濃やかな歩き方になるのです。
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 弘法清水小屋で澁谷さんにご挨拶、しばし四方山話。 
 ラーメン用に、清水を頂戴します。
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 いざ、山頂へ。
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 磐梯山を頂きました。
 一歩一歩は偉大です。

 三角点にタッチし、放心?解放?爽快?のsakumaさん。
 初登頂、おめでとうございます。
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 (ついでに、私も)
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 束の間、陽精が顔を出して、祝福してくれました。
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 標識を背に、ちゃんとちゃんとの記念写真。
 感懐や如何。
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 岡部の山頂小屋で風を除け、ラーメンタイムとしましょう。
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 お腹は満たされました。下山するとしましょう。


 紅葉は、まだ走りかな?
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 降りは、万有引力に身を任せるだけ…
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 火口の淵に起てば、裏磐梯は晴れ模様。
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 今日は何も見えずと諦めかけていたら…
 天狗岩がお目見え。その憐れみに与りました。
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 ただ黙々の運歩、その繰り返しが、登山。
 みんなで、ああだこうだと、口角に泡をとばしているうちは、
 実は、「個別」なのだ。
 ほんとうの「普遍」、登山の本質というものは、
 それこそ、たった一人で、お山のうちにある、大いなる他者と、
 もがいたり、胸ぐらをつかみあったりして初めて、
 触れうるものなのではないか、…
 普遍、ほんとうに自らが納得するものは、いつだって、
 心のいちばん奥にまで届いたもの、その思いだけだ。
 その思いだけが、そのよろこびだけが、
 しんそこ、顔に出るのだ。
 スマホを握りしめ、でっち上げられた「真実」におどる、
 あせったような、泣きたいような笑顔じゃなく、
 みんながそんな顔になったら、すばらしいだろうな。――
 
 
 天狗岩は、そんなことを、私に語りかけてくれました。
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 沼の平へ。
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 いつもの場処で、ひと息。
 常連さんを交え、歓談、四方山話。
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 赤埴山を巻けば、樹々が陽精と戯れます。
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 てっぺんは、雲を被ったまま。
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 寛やかに、湖。秋を讃う、田圃
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 ゲレンデへと降ります。
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 さすがは"二足歩行"60年の大ヴェテラン、 
 元気よくゲレンデを凱旋です。
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 悠々とゲレンデを闊歩。
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 論語に、
 「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。
 知者は動き、仁者は静かなり。
 知者は楽しみ、仁者は寿ながし」
 とか。
 含蓄に富みすぎ、意を定めにくい条ですが、
 孔子はまた、別の条で、
 「曰わく、仁なる者は、先ず難んで後に獲。仁と謂う可し」
 とも。
 「人がいやがって後回しにする難しいことを後回しにせず先にやる。
 また人が利益になるからと先にやりたがることを後回しにする」
 そんな生きざまを、孔子は仁者の資格としたのでした。
 山に愛でられる人間は、たぶん、そんな人かな。
 


 センブリの花が、肯います。
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 花の祈りは、"Grace be with you".
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 「下山すると晴れる」とは、なりませんでした。
 「ごせやげなくてよがった」。(笑)
 「お疲れ様」。
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 無事の下山、
 お山の懐隠の情?に
 感謝、感謝。


 Fin