あるく

~山の恵みの備忘録~

大日岳/和心(三) 2017年7月15-16日


 『大日岳/和心(二)』からの続きです。


 明けて16日。

 昨夕のこの英姿に、本日を期待したのですが…。
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 3時過ぎに起きると、外にはガスがたち込めています。
 朝食の準備をし、しっかりと胃の中へ。
 4時22分、辺りはまだ雲の統べる世界ですが、予定通り、
 大日岳を目指し、小屋を発ちます。


 (少し進んだ、水を採った雪渓の辺りは、夏道が隠れています。
 此処でガスられると緊張ものですが、高巻いて進めば直ぐに
 夏道に出られます。)

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 ガス、ガスの中、ただ黙々と運歩
 路傍の花のエ~ルに応えて。 
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 お~っと、大日岳直下の急斜面。
 この時季、残雪で夏道が隠れることがありますが、
 今年は結構規模が大きく、20~25M?ほどの区間が雪の下です。
 雪を避け、高巻くしかありません。

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 (アイゼンがあっても、この傾斜、雪にのらない方が無難です)
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 通過すると、チングルマのエ~ル。
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 雨粒混じりの風の中、山頂の標柱が幽かに。
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 ふ~、風に祝福されて、大日岳を頂きました。

 貧しき土塊が、此処に起てた幸い…。
 何も見えないけれど、心は見えないもので満たされます。
 ただの意地なのだろうか?
 いいや、この場処へと、思いを定め、
 心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くしたこと、
 そのひとすじの気持ちこそが貴いのだと、
 お山の響。
 そして、お山の祈りは、"Grace be with you".

 此処へ来れたことに、すべてのことに、感謝。
 
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 降り始めると
 路傍から、生まれたてのイチゲの祝福。
 ありがとう。
 その頌、その衷情が沁みてきます。

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 "きれいな気持ちでいよう
 花のような気持ちでいよう
 報いをもとめまい
 いちばんうつくしくなっていよう"
 八木重吉

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 陽精はきっと出たがっているんだろうな。
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 心満たされ、ガスの中、黙々と運歩
 御西小屋へ戻りました。

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 さて、帰らねばなりません。
 愉しくお喋りしながら、苦手なパッキング。

 お世話になった管理人の羽田さん(向かって左)、
 西川山岳会の柴田さん(中央)、そして岡山の青年(右)と、
 みなさん楽しいお話、愉しい時間をありがとうございました。
 ご健行を祈り上げます。記念にパチリ。

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 青年に代わってもらい、今度は私が右に。
 また雨粒が混じり始めたので、雨具を装着して出発します。
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 "See you, later"、
 御西小屋においとまです。
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 花々の目送に与ります。
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 幽玄の世界を、てくてく。
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 "ゆきなれた路の
 なつかしくて耐えられぬように
 わたしの祈りのみちをつくりたい"
 八木重吉

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 しあわせな時間を歩きます…
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 白鯨の祈りは、
 "Grace be with you".
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 のたりのたりと草月平…
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 花々と言葉を交わしながら。…
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 ガスが切れ、飯豊の山頂が見えてしまいました。
 愉しきimagine、結びです。
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 昨日に続き、飯豊山登頂。
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 崩れるのは必至、休まず進みます。
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 "See you, later".
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 束の間、雲が切れて、草履塚。
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 白鯨が見守ってくれています。
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 御秘所から、飯豊本山。
 お山の祈りは、"Grace be with you".
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 雲は攻勢、いよいよかな。
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 振り返って、おいとま。
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 キスゲのねぎらいエ~ルに、ほっこり。
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 るんるんと、草履塚の斜面を下ります。
 種蒔山に暗雲…
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 雪渓を終え、
 もう直ぐ切合小屋、という処で雨、それも本降りの。
 カメラは大切、ビニ~ルに包んでザックの中へ。

 切合小屋に一刻休み、
 あとは覚悟を決めて、すたこら、singing in the rain?
 この先、画像は、休憩のときの2枚のみ。

 


 三国小屋で金子さんにご挨拶。いとまを告げます。
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 剣ヶ峰では、雨中、リョウくんが道刈り。
 「相棒」がつつましく。 
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 この後、
 長坂ではドシャ降りの雨、登山道は沢と化してしまいました。
 あたふたと下り、愛車に逃げ込んで、帰路へ。
 ラジオからは、『会津北部に大雨洪水注意報』――。



 (大白布と小白布の沢を合せ、濁流と化した一ノ戸川)
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 無事の下山、
 和心の山路に
 感謝、感謝、感謝。



 Fin