あるく

~山の恵みの備忘録~

石転び沢/龍翔(二) 2017年6月17日


 『石転び沢/龍翔(一)』からの続きです。

 おにぎりを食べてゆっくり息みました。
 大半の方は此処でアイゼン装着、ですが、
 ここから梅花皮小屋まで距離にして優に3km以上、
 軟弱者の私としては出来るだけ足の負担を軽くしたいので、
 勾配が弥増す「ほん石転び沢」の出合からにしています。
 其処までは、
 スプーンカットに足を合せ、ストックでバランスをとりながら…。


 北股岳が招きます。
 白龍よ、どうぞ、いっとき、あなたの背に遊ばせたまえ。
 いざ。
イメージ 1



 振り返れば、後続の方たちがチラリホラリ。蟻の様です?
イメージ 2


 ん~、THE 雪渓。石転びはこうでなくっちゃ。
イメージ 3


 速く歩くなんて…
イメージ 4


 もったいない。
イメージ 5


 白龍の背にのり、高みへと、一歩、一歩。
イメージ 6



 北股を仰げば、月天子。
 このたどたどとした形影を見守ります。
イメージ 7


 歩を運ぶ、しあわせ…
イメージ 8


 心を込めて…
イメージ 9



イメージ 10


 そして、思いを込めて…
イメージ 11



 梅花皮岳を背に、ほん石転び沢が見えて来ました。
 出合です。
 雪渓の登高は単調で、時間と距離の感覚が狂い、
 休憩が疎かになりがちです。
イメージ 12


 ゆっくり息んで、アイゼン装着。
イメージ 13


 ここを上って梅花皮岳へと突き上げる方もいる様ですが…
イメージ 14


 さて、足元は確り、前進です。 
イメージ 15


 岩稜からのエ~ルがうれしい。
イメージ 16


 振り返って、ひと息。
 後続との距離が縮まって来ました。 
イメージ 17


 白龍のはく息は、白い雲…
イメージ 18



イメージ 19


 ペ~スが落ちた?私を、「ご老人」が追い越して行きます。
イメージ 20


 迫る、大円形劇場。
イメージ 21


 一息ついては、振り返ります。
イメージ 22


 稜線が圧しかかると、そこは北股沢出合。
イメージ 23


 いよいよ核心部です。
イメージ 24


 白龍の息にけむる北股沢。
イメージ 25


 後続の方が迫ります。
イメージ 26


 おおぞらへと、かけりゆくこころ
イメージ 27


 クライマックスに、胸が高鳴ります。
イメージ 28


 どうぞ、石を転がさないで。 
イメージ 29


 足は重く苦しい、
 けれど、この愉悦は、どうしたことでしょう。
 この息を吐く白龍もまた、愉しいにちがいありません。
 
 この雪の塊は、人の、上るという愛によって、
 物であることを止め、応答として、自己を啓示する、
 閉じ込められた存在から、白龍として、救済される…
 空へとかけりゆくのです。


 だから、imagine your own dragon.

イメージ 30


 喘ぎ、あえいで中ノ島。
イメージ 31


 北股のエ~ルに応えます。
イメージ 32


 土の魅力に負け?中ノ島に上陸。
イメージ 33


 上る者を歓呼して迎える、雪の渓。
イメージ 34


 どんどん抜かれてしまいそうです。
イメージ 35


 白龍の呼ばわる響に鼓舞され、上へ、上へ。
イメージ 36


 北股が、がんばれ、頑張れ~。
イメージ 37


 ガスの中、先行のステップに歩を合わせ、
 えっちらおっちら。
イメージ 38


 若い衆に譲って…
イメージ 39


 のそのそ歩を運べば、梅花皮小屋。
 愉しき imagine の、結びです。
イメージ 40




 『石転び沢/龍翔(三)』に続きます。