東尾根から、磐梯山東壁。
もうじき、3.11です。
今日(3/9)は、磐梯山へ。2019年の登り初め、東尾根から。
この頃の降雪で、そこそこの新雪を覚悟、というか期待して臨みましたが、
まさかこれ程とは。
東稜では膝が埋まり、雪庇のつなぎ目辺りなど、上半身でかき分ける始末。
久しぶりに雪とがっぷり四つに組んで悪戦苦闘。疲労困憊でしたが、
でも、うれしくて?たのしくて?顔はゆるみっぱなしでした。(笑)
kobayashiさんと、駐車場でバッタリ。お久しぶりです。
毎週ご出勤?
ついでに、私も。
朝陽のエ~ルをうけて。
長~い足になりました。
かたく圧雪されたゲレンデを、すたこら。
ひと息入れて、猪苗代湖。
ゲレンデにわかれ、赤埴の山脊へ。
赤埴山を巻いて、大磐梯と…
櫛ヶ峰にご挨拶。これ以上ない、上天気。
衛兵岩と挨拶を交わし…
沼の平へ。お山は上機嫌。
東稜の取付へ。新雪の歓待に、足は困惑気味?
ひと息入れて、飲み食い。
いざ。
後から来たお二人が先行するも、トラブル?有問題?
その先で、リタイア。
ここからは、私一人。魁(さきがけ)となります。
歩一歩、膝が埋まりだしましたが、アイゼンで押し通すことに。
ここら辺はハング。
兎にも角にも、両手でかき分けないと、足が上がりません。
お山のもてなしに?足は歓喜?
歩一歩、高みへ。
安達太良のエ~ルが、うれしい。
お山の招きに…
応える。ひとすじの気持ち。
カモシカくんは、軽やか。こんなふうに歩けたらなぁ。
「めげるなよ」と、お山の響。
月山、大朝日、小朝日からも。
勾配が緩み、目がひらけます。
眼前に奔る、南稜。
迫る、核心部。
東壁の、呼ばわる響が…
足へ、そして、心の奥底へと、びんびん。
その響を、総身に享け、ひと息。しばし、飲み食い。
雪煙の舞う頂稜へ、いざ。
大磐梯の心魂、東壁の巌に鼓舞されて、勾配いや増す核心部へ。
ピッケル片手に、息を荒げては、足を突き、足を突いては、息を荒げます。
ひと息つけば、安達太良、川桁の大きなエ~ル。
南稜が圧しかかれば、あと少しです。
足に令して…
”ザ~ンゲ、ザンゲ、ロッコンショウジョウ”(懺悔懺悔六根清浄)
と息を吐けば…
お山の生命と峻厳とに、繋げられます。
足をあげた、高みの先には、青と白の交響。
ふと、たたずんで、黙想。
あれほどの経験をしながら、8年も経つと、いや、経ったからか、…
財界のトップや、大学のお偉い先生は、
「もう、好きだ嫌いだとかいうのをやめよ、
原発を動かさないと日本は立ち行かなくなるぞ。
原発を輸出して、メーカーの設備、人材、技術を守れ、
核エネルギーは人類の知恵なんだ」、
こう言い張って、愧じなくなりました。
廃炉に何十年かかりますか?費用は何兆円かかりますか?核のゴミは如何?…
彼らが守りたいのは、唯々、「技術」であり、「産業」なのです。
そこに人間はいない。
人間がいないから、主体性がなく、主体性がないから、責任がない。
無責任。責任が無いから、こんなことが言えるのです。
「過まって改めざる、是れを過まちと謂う」
とは、孔子の言葉。
この言葉へ、凛として起てる人間であれ、とのお山の響が、
聞こえて来ました。
お山の響に引き上げられて… ザ~ンゲ、ザンゲ、ロッコンショウジョウ。
ふ~、南稜に起ちました。湖の祝福。
攣らずにここまであげてくれた足を、褒めてあげたい。
いやぁ、難儀の痕跡?
さぁ、山頂へ。
(あのピークはダマシです)
来し方を、振り返っては、えっちらおっちら。
『磐梯山/東尾根/嘉恵(後篇)』につづく。