『飯豊山/秋光(一)』からの、続きです。
貧しき土塊が、思いを尽くし、力を尽くして、飯豊山を、頂きました。
一歩一歩は偉大です。
ゆっくり歩いて、泊り装備並みの時間を費やしてしまいましたが、
おかげで、さしたる疲れもなく、穏やかな山頂に恵まれました。
"Grace be with you", お山の清衷が沁みてきます。
来てよかった、来れてよかった… 感謝、すべてのことに感謝。
感恩が溢れます。
呆けて、眺覧、周覧。
秋容が、さんざめきます。
ん~、どうにも、うせぬ、大日岳の前の雲。
何を語っているのか、語ろうとしているのか、わかりませんが、
これはこれで、きりっと、潔いな、しずかな心だ…
… なんて、ほめていたら、したしげにほほえんで?こちらへ。
雲さんと逢引きでもしているような?不思議な気持ちに。(笑)
『君子は器ならず』とは、孔子の言葉。
大意を酌めば(吉川幸次郎)、―
「すべて器物というものは、ある用途のためにつくられ、
その用途のためにのみ有効である。
舟は海に浮かべるが山に登れない、車は陸を行けるが、海を渡れない。
紳士はそうであってはならない」とか。
この言葉は、
「精神なき専門人、心情なき享楽人。この無のものは、人間性の
かつて達したことのない段階まですでに登りつめたと、自惚れるだろう」
というウェーバーの言葉を想起させます。
その遣り取りに、精神は、魂は、何処へ?との思いを禁じ得ませんでした。
ある電力人は、感想をもらし、
「東京の人間が野放図に電気使ってね、その尻を持ち込まれた東電が、
福島、新潟に大規模施設をつくるでしょ?大きいほど経営管理上は都合がいい。
その流れに安易に乗っておかしくなっちゃった。世の中全体がそうなんだけど。
公益企業の経営トップが持つべき武士の魂がカネの魂になっちゃった」
と語りました。
原発だけじゃない、AIも遺伝子操作も、仮面を被った「カネの魂」の様に、
私には、見えてなりません。
動かないでいたら、標柱にはエビノシッポ。ちと寒い。
あたたかいものが、何よりです。
いい時間を過ごせました。拝謝。
そろそろおいとましましょう。
後ろ髪を引かれますが…
後は、すたこら。
~上りは牛のごとく、下りはカモシカのように。(笑)
"See you,later".
いやぁ、川入はず~っと、ず~っと、あの先。
往路も長かったけれど、復路も長いなぁ。当たり前か?(笑)
そこなテーブルでひと息入れ、お茶でも飲んで行きたいところですが、
明るいうちに帰らねば。
たたずめば、いいでの心に、合わせられます。
すると、雲がひいて、大日岳。呼ばわって、"Grace be with you"。
ありがとう。
さて、次は御秘所。
岩場から、御秘所沢。
そそくさと、草履塚へ。お二人さんとスライド。
今日は貸し切りかな?とほくそえんでいましたが、残念。
切合が見えて来ました。
雲がはらわれ、どっしりと、大日岳。さすがの貫禄です。
切合から、地蔵岳方面。賑やかな秋の宴。
種蒔山へ上り、草履塚、飯豊本山。
草履塚は健気な寵臣です。
このツ~ショットは、見納め。
次なる年も、心と体が備えられ、此処に起てますように。
七森へ。
山基、山側、其処彼処に秋の宴。
山崖にも秋色が滲みます。
大日岳、種蒔山、飯豊本山はスリーショット。はにかんでる?
陽精が頌えば、紅が黄が交響します。
唱を合わせるカンバ。
三国小屋が見えて来ました。
七森のエ~ルに応え…
紅葉のポルカに踊れば、はや、三国岳直下。
『飯豊山/秋光(三)』につづく。