雲を制して、大日岳。
今回(9/20ー21)は泊りで、
飯豊へ。
久しぶりに実川口、
御幣松尾根から直に大日岳を目ざします。
篤愛の尾根ながら
無沙汰をしてしまいました。
カランカラン、リンリンリン・・・
靴音に和する熊鈴の音が、異世界へと
心を昂ぶらせて往きます。
トンネルの暗闇を、ヘッデンを頼りに。
登山口から直ぐにアシ沢、
この単管橋(感謝!)を渡れば、御幣松尾根。
生い立ちからすれば、
”次郎新道”と呼びたいこの尾根に
客となります。
秋なのに、瑞々しい緑のお出迎え。
涼しさが運歩を援けます。
一時間半ほどで月心清水の分岐。
月心地蔵が鎮座します。
この尾根の伐開に力を尽くした猪俣次郎、
彼の法名が月心、
山人を暖かく見守り、励まします。
”お久しぶりです”。
おにぎり食べて、一息。
月心地蔵からちょいと急登に喘ぐと、
往く手が展けます。オコナイ峰から~
櫛ヶ峰、そして・・・
一服平への急峻が、走ります。
草履塚、そして飯豊本山からのエ~ル。
ウメバチソウが、
息の乱れを斉えます。
陽が昇るにつれ、辺りは雲に包まれました。
一服平に”一服”、おにぎりタイム。
勇躍として”早川のつきあげ”へ。
突き上げると其処には、大日岳の迎候。
雲を制して挨拶をと、
籠もる親慈、応接に与りました。
早川のつきあげで一息、甘納豆。
さぁ、雲遊ぶ牛首山へ。
牛首山の頂稜へと上がれば、
湧き上がる雲が歓呼。
ゆっくり、
雲のすることに見蕩れながら、
おにぎりをムシャムシャ。
さて、牛首山の頂稜を、大日岳へ。
見え隠れするお山と語らいながら。
忙しなく遊んでいた雲たちも
お山が呼ばわると、綽然。
歩を運ぶ毎に、
お山から退いて往きます。
得も言われぬ感懐に・・・、
浸るひととき。
雲たちの宴逸。
丸々と現形、
お山の温顔に心が和みます。
"Welcome back",
"Here,I am"。
向かい合う幸せ、
言葉にならぬ言語が行き交います。
しばし、黙想。
さぁ、お山の頂巓を目ざします。
迫る、お山の肩。
少し降って牛が首。
いやはや、熊の糞が其処此処に。
此処は熊の”せっちん(雪隠)”か?
比較的新しいもので5箇所、
少し時間の経過したものがさらに、…。
私のゾウの様な足取りが、
急にカモシカに。(笑)
熊の糞に”励まされ”?
軽やかにお山の肩に乗りました。
山頂は直、其処です。
雲が開き、
辿り来った牛首山の稜線が
一望されました。感謝。
西大日岳に並んで、山頂部。
草紅葉が鮮やか。
大日岳の山頂に到着。
お山を”頂き”、
安堵、平安、充溢が湧き起ります。
小さな一歩一歩の総和が、この貧しき土塊を
此処に起たせてくれました。
感謝、感謝、感謝。
御幣松から至る山頂は、
御西からの山頂と同じなのに
”頂き”の、その感懐が異なります。
御幣からのクライマックスが、むしろ
牛首山頂稜での大日岳との”語らい”に
あるからなのかな。
『その2』に続く。