『前編』からの続きです。
山頂にいとまを告げます。
風神に酩酊をくらう私、でも、take heart。
お日さまからはあったかな慈悲。
櫛が峰からは、身体を突っ張る太いエ~ル。
疾風が東壁を画ります。
陽と睦む春嵐。
この辺りでやっと風もシフトダウン。
まじまじと、櫛が峰。
春嵐、謳和。
櫛が峰に、遠想遠識。
「何といふいい精神だらう」(賢治)。
お山にはこんなまじめで敬虔な人間がたくさん居る。
沼の平に降り起てば、恩威恩遇。
3.11の鎮魂、慨憶をともにしてくれた。
耳澄ませば、雪煙の響。
春嵐の舞う沼の平。
憐憫がすべてを蔽います。
宙そらに舞う慈悲。
そろそろ、いとまを告げねば。
赤埴山が待っています。
後ろ髪を引かれながら。
赤埴山に起って磐梯本峰…
沼の平…
そして、櫛が峰。
私の踏み跡がお山の肩をくすぐります。
お山は温顔、感恩のひととき。
さて、下りましょう。
湖からのねぎらいとエ~ル。
「また来ますね、風神様に宜しく」。
『おう、いつでも来な』。
強風で第4リフトは動いていません。
でも謙虚に?端の方を「凱旋」するとしましょう。
宙そらからは祝福、ありがたいなぁ。
無事の下山、
お山の恩遇に、
感謝、感謝、感謝。
Fin