磐梯山東壁。
今日(3/11)は、磐梯山へ。
『3.11』はメモリアル。その意義は『8.15』に並びます。
心を尽くし、思いを尽くし、精神を尽くし、
そして力を尽くして…魂に刻まれねばなりません。
そのレクイエムを磐梯山と共に唱和したいと、
4ヶ月振りに。
(猪苗代スキー場06:13~09:05東尾根取付~11;46東尾根終了点~12:17磐梯山頂~12:42弘法清水~14:25スキー場ゲレンデトップ~15:10駐車場)
1月、2月はいろいろが色々で『有問題』。
この場処に起つことができませんでした。
いま『3.11』への意気地が、私を此処に押し出しました。
予報に諸説、全てをお山に委ねて。
ゲレンデには整然と圧雪の紋様。
足跡つけて、ゴメンナサイ。
同行は足長おじさん?
雪はコチコチという程ではなく、
キックがそれなりに効き、アイゼンは不要。
好いペ~スで標高が稼げます。
歩き易かったゲレンデともお別れ。
カンジキの出番です。
赤埴山。巻いて進みます。
今日は、天気がどうあれ、初めから東尾根と念いは一途。
でも、ガスがとれてくれるといいなぁ。
櫛が峰に無沙汰を詫びて。
沼の平へ。今年初の磐梯山。
雪にもてあそばれながらも、ラッセルは愉しい・・・。
東尾根の取り付きに到着。
一息入れて「燃料」の補給です。
いよいよ東尾根。いやはや難儀です。
新雪でヒザまで潜る上に、
その下の旧い層がちょっとかためのザラメ雪。
ワカンのストッパーが流され効きません。
でもアイゼンに換えてもなぁ・・・。
赤埴山の高さを越えました。
吹き溜まりで、時折、腰近くまで浸かりますが、
愉しく?奮闘。
雪庇のもてなし。
何とも潜ります。勾配がキツくなる程、
ワカンでは踏ん張りが効かずギブアップ。
選手交代、アイゼンにスイッチです。
沼の平の向こう、櫛が峰からのエ~ル。
「よっしゃ~」。
心なしか明るくなって、東壁の響。
お山は私に応えてくれているのか。
雲が払われ、お山の意志が現前。
この岩壁がお山の心魂 。
目前の稜が、早く上がって来いと…。
過ぐる一年の走馬灯、お山は全てを察します。
お山の精爽、その冷厳。粛として。
あまたの生命を、その存在、その生活を、
全てを奪い去った地の震えを、大波を、…
ひとは「不条理」と言う。たしかに不条理だ。
でも、嗚呼、このお山は不条理の子。
その悲哀、すべての問いを秘めて、何という厳麗。
ただ鎮魂・・・。
「天」災。
すべてのことに意味があり、
その意味を探り、そしてその意味に生き、
また生きんとする、そのことの表白がメモリアル。
天の響に鎮まって聴こう。
天は原子の火をもてあそんだひとの高ぶり、貪欲を打ち、
その工作を毀った。
畏敬してお山に登高の許しを請います。
櫛が峰のエ~ル。
微笑んで、お山の許し。
安んじてトレ~スを刻みます。
腰まで雪に捕まれば、櫛が峰のやさしい眼差し。
胸突き八丁、雪にもてあそばれながら、宙へと。
ふ~、一息。
此処は櫛が峰と並んで私の好きな場処。
東稜終点までほんの少しを残すばかりのポイントです。
お山と以心伝心、
心行くまで語り合える場処。
お山の心魂、その心のひだ。
直ぐ其処が尾根の終点、
南に落ちる稜へジョイントします。
愛くるしい櫛が峰。
お山はすべてを蔽う。
歴史の証人。問いの彼方へ…
いつまでも此処にたたずんではいられません。
終点へ。
名残惜しいですが、東尾根終点…。
『後編』に続きます。