『飯豊山/嘉恵(前篇)』からの、続きです。
御前坂を、えっちらおっちら。登りきれば、そこは一ノ王子。
"Welcome, my friend"~大日岳の懇ろなる慰待、慰励に与ります。
砂礫にステップを舞えば?飯豊本山小屋が目の前。
ヘリでの荷揚げに備え(明日?)、金子さんが入っておられたので、ご挨拶。
彼は、私より一つ年上、頑張ってますね。
積もる話?は後に・・・山頂へ。
この桃源を、たどたどしくも、こうして、歩ける、その幸せ。そのウキウキ。
それをどう言い表せばよいのか、表せるのか。
この貧しき土塊、この塵芥の様な形影が費やした、その何万もの運歩への、
お山のご褒美に違いありません。
山頂は、直ぐ其処!
ふ~、飯豊山を頂きました。
天と地と、溢れんばかりの祝福に浴します。ただ、感恩。
主役は、母の杖。
母が愛用していたこの杖を、どうしても、飯豊に連れて来たかった。
~いや、でも、むしろ、この杖に助けられたと、白状せねばなりません。
私は普段、推力というよりバランスをとる目的で杖を1本使用してますが、
今日は、母のと合わせてダブル、飯豊行は長丁場で悪場も多いですから、
このダブルは推力としても働き、私の足を陰に陽に扶けてくれました。
無事に帰った今、この杖がなかったら、きっと足がやられてたなぁと・・・。
母の遺徳です。
よかった。
おにぎりを頬張りながら、眺覧、周覧。
飯豊の恵みに、ただただ、陶然。
すべてのことに、感謝。
来て良かった。
大日岳。
行きたいのは山山なのですが・・・
見上げれば、天空の交響。
さやかな調べは・・・
陽精の頌。
雲に乗って天空へ、風にまかせて自在に翔びまわりたい・・・
お山の天辺は、ひとを、そういざなわずにはおきません。
飯豊は生命のお山。
飯豊は、飯豊のなかにおり、飯豊がそのうちにある者を、
「あなたはどこから来て、どこへ行くのか」という問いの前へ晒します。
生命が踏みつけにされている世界と、誰も無関係ではあり得ません。
「人間はみな神により無から創造されたものとして、
質料によってではなく、作者によって連帯している」(レヴィナス)
からです。
いつも心がやさしくなるのは、お山の心がやさしいから。
そして、心がきびしくなるのは、お山の心がきびしいから。
天空のたくさんの眼差し、連帯に応えよう。
いい時間を過ごせました。感謝。
夕闇につかまりたくはありません?そろそろ、おいとましましょう。
また、来れるかな・・・
また、来ます。
本山小屋で、管理人の金子さんと歓談、四方山話。
「koizumiさんだよね~?」、
サングラスをかけ、耳までタオルで覆って巻いてた私に半信半疑「?」。(笑)
お互い、忘却の年代です、はい。(で、鉢巻きはやめ、帽子に)
ご友人のbig starさんは、荷揚げのお手伝い?
小屋から、お山の響に耳澄ませます。
いつも心が正しくなるのは、お山の心が正しいから。
さて、長居は不可。おいとまします。
一ノ王子から、健勝を祈りつつ。
往路が長かったのですから、当然、復路も長い。(笑)
溜息無用。
御前坂を、大日岳と語らいながら。
カフェ御前坂。道草は・・・×
振り返り、振り返りつつ。
キンバイのみんなに元気を頂戴して。
さぁ、御秘所。
主稜線がにぎやかになって来ました。
いいタイミングで山頂に居られたなぁ。
ありがとうございました。
草履塚。
ここを抜けると・・・
雪国。
すたこら下ると・・・
切合。雲を透して、お山に礼敬。
『飯豊/嘉恵(後篇)』に続く。