あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山/恭和 2018年11月11日

 帰路、ひと息入れると、カモシカくんが此方をまじまじ。いい面構えです。
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 今日(11/11)は、磐梯山へ。
 暦の上では、立冬
 初冬の磐梯山を、雪の感触をと、当て込みましたが、先駆けの雪は粗方消失、
 冬は、一歩進んで二歩下がるの構えか?お山は晩秋のたたずまいでした。
 


 5時半、まだ真っ暗です。
 いつもの猪苗代スキー場から、ヘッドランプをつけて。
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 ゲレンデトップ着。
 明るんだものの、何だかモヤ~っとしているなぁ。
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 赤埴の山脊を、落葉を踏んで。
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 沼の平へ。いつもの場処で、ひと息。
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 お山は布団の中?
 でも、光が射し込むと、金色の世界が現出。
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 「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし…」(『風の谷のナウシカ』)
 ほら、ナウシカがそこに?
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 櫛ヶ峰の雲がとれたので、呼ばれているのかな?と…。
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 ときおり陽が射すので、希望はあります。
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 櫛ヶ峰を頂きました。が、西風強く、寒ッ。雲は頑固そう。
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 物思いに沈む、大磐梯。何をおもう?

 最近、韓国で、元徴用工の方々への賠償を命ずる判決が確定しました。
 その法理について、とやかく言う準備は持ち合わせません。が、
 まだ「戦後」なのだと、あらためて、つくづくと、思わしめられました。
 殴った人間が、殴られた人間に「罪を憎んで人を憎まず」とは、言語道断、
 言えるはずもないと、これは誰もが弁える道理なのですが、
 この度は、ややこしい。
 日本の言論は、この日韓基本条約や日韓請求権協定を蔑ろにする判決に対し、
 「悪法もまた法なり」と毒杯を仰いだソクラテスを引き合いに出し、
 彼に恥じるところはないかと、詰め寄ります。
 (~韓国の言論、韓国の良識の表白としてならわかるのですが…)
 おいおい、ソクラテスは彼の「最善のロゴス」、彼の正義に殉じたんだ、
 〈法的安定性〉に殉じたんじゃないぜ。
 ソクラテス曰わく、ー
 「もっとも大切にしなければならないのは、
 生きることではなくて善く生きることである…
 『善く』と『美しく』と『正しく』とは同じこと…
 正しく生きることが、もっとも大切なことなのだ」
 →だから、「いかなるしかたでも不正を犯してはならない」
 →だから、「たとえ不正を加えられても、不正の仕返しをしてはならない」。
 かくして彼は友人の脱獄のすすめを斥けたのでした。(『クリトン』)
 「歴史認識」の問題だとは、よく言われます。確かにそうです。
 でも、ソクラテスは、彼の正義に殉じたのです。
 いうところの「法的安定性」に殉じたのではありません。
 双方が、尊敬と敬虔の情に裏打ちされた、正義への意志を有たぬ限り、
 真の和解、平和は、生まれないだろうな、…
 ふと、そんな思いにかられました。


 "然うだな"と、雲を透して、お山の響。
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 今日の立役者は、雲さんです。 
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 パンを頬張りながら雲が退くのを待ちましたが、寒くて、限界。
 (持参のオーバーグローブのお世話になるとは~)

 西端を周りこんで、下ります。
 
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 大地の懊悩の痕跡が、その意思が、滲みてきます。
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 陽精の頌も、今日はしめやか。
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 さて、大磐梯へ挨拶をしに行きましょう。
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 「天へ、天から生きよ」と呼ばわる天狗岩。倦むことを知らず。
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 弘法清水へ。小屋で、澁谷さんにご挨拶。
 明日で、小屋仕舞、冬ごもりとか。来年また元気にお会いしましょう。
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 いざ、山頂へ。期待した雪は皆無。ちょっとガッカリ。
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 大磐梯を頂きました。
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 青空へと抜けるのを希って、しばし、常連さんと語らい、待ちましたが…
 無理そう。帰ることに。
 
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 雲を抜けて、すたこら。
 (標高で1600M辺りから上を、雲さんが統べります)
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 沼の平に運歩
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 いつもの場処で、ひと息。
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 お山の響に、耳澄ませます。
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 「仁遠からんや。我れ仁を欲すれば、斯に仁至る。」

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 お山の祈りは、"Grace be with you"。ありがとう。
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 湖が、陽精の頌に唱を合せています。
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 『天の庭』をスルー、ゲレンデトップへと降り立ってひと息つくと…
 何やら気配。おやおや、直ぐ下のところに、カモシカくんです。
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 真っ直ぐな、まなざしだなぁ。
 いつまでも、このまなざしにたえられる人間でありたいと、希う…。
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 目送に与って…
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 ゲレンデをすたこら。
 (もうちょっと語らっていたい気もするけれど…)
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 川桁山のねぎらい、エ~ルがうれしい。
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 下山すると晴れる?
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 無事の下山、
 恭和の山路に、
 感謝、感謝。


 Fin