あやうく山の登り方を忘れそうになるところでした。(笑)
ボ~ッと生きてきた訳でもなく、また、かく生きてきたからと言って、
何等、悪いことでもないのですが、
"Don't sleep through life!"と、天の響。
それでも、如何にか、一日を空け、三週間ぶりに長靴(愛靴?)を履いて、
いざ。
いつもの門沢登山口に起てば、絶句。
潜在的抑圧力とでも言うべきか、意識から遠のき始めていたあの施設が、
ついに、すでに現実のものとなっていました。この圧し掛かる存在感。
もそっと謙虚な姿であって欲しかったと思うのは、私だけかな…。

重い足取りでハーベストビレッジ分岐へ。
ビニールハウスは跡形もなく、太陽光パネルが我が物顔です。
おや?支点の半分以上に基礎となるコンクリートが造成されていません。
強度に問題はないのかな?

お山にとっては、ただの異物…

いつかは、これに慣れてしまうのでしょうか。

私は、いつまでも…

これを異物と疎む心、common senseを、大切にしたい。

「・・・・・・・・
野と山を荒らしてはいけない
野と山がこれ以上せばまってゆくなら
日本はいきがいのない国になってしまう
みんないいものをさがそう
そしてねうちのないものにあくせくしない工夫をしよう
人間一人の生命のためにも
人間すべての生きがいのためにも
なくてよいものをあえぎもとめるのは
なんというおろかしいことであろうか」
(八木重吉)
パネル様に光をとおす、ただそれだけのために、
たくさんの木々が犠牲となりました。

こんな奥まった大木まで、太陽光を遮る極悪と目されてか、
打ち首です。

気を取り直して、山路。

時折、薄日が射すことはさすのですが…

総じて、どんより。私の気持ちと同じかな?(笑)

山頂部に着きました。一帯を見回ります。

紅の絨毯は、まだまだ。

展望台着。

あぶくまの響に、耳澄ませます。




陽精の頌は、細く静か。


今日のお客様はお二人。
春とは言え、お花は準備中。生憎でした。

咲く、その時へ、ひとすじの気持ちが、膨らみます。


一つひとつの蕾を鼓舞し、鼓舞されて。

一帯に異状のあるなく、安堵。
帰りましょう。

何とも、葉のないこの時季、
パネルは異物としか言いようがありません。

お山の気持ちを、拝察しつつ。


登山口へと戻りました。

無事の下山、
休祉のひと時に
感謝。
Fin