『飯豊山/慈恩(一)』からの、続きです。
ふ~、大日岳に御目見得がかないました。
”お久しぶりです”。
"Welcome back, my friend",
親昵の響に浴して、わずらいはみな失せてしまいます。
お山を前に、ただ呆けるばかり。
小屋前で、一息入れ、もぐもぐむしゃむしゃ。
湿った山靴と靴下を、天日干しに。
さて、時間的にも、体力的にも、何とか、本山を目指せそうです。
先ずは、草履塚。
振り返って、切合、種蒔山。
遥か、磐梯山のエ~ルがうれしい。
もう一人、日帰りの方が下って来ました。
郡山の方とか。
此処は、草履塚。
草の「わらじ」ではなく、心の「わらじ」をあらためます。
峰々に向かって敬礼。
陽精のまなざしをうけ…
お山の心に合わせられます。
さらに、北峰へと進み、まじまじ。
豊実に、そして御鏡に、雪の律動。
さて、飯豊本山。
御秘所へ。
大日岳の頌に歩を合わせます。
振り返って、草履塚。
御秘所の岩場に取付いて、本山。雪の胸板。
そろりそろりと、足を運べば、大日岳が顔をほころばせます。
御秘所を了えて。
"早く来い"と、いざなう本山。
御前坂へと歩一歩。
天上のうらら。
ずんずんずんずん、雪は降り積もり、
その厖大は、固く圧せられ、連繹、連延して称名、意思と生りました…。
いざ、御前坂。いやさ、試練坂。
陽精のエ~ルが、やさしい。
カフェ御前坂にて、ひと息。
客は私のザック。マスターの大日さんが、「いらっしゃいませ」。
登り了えて、一顧。
一ノ王子から…
一登りで本山小屋。
やっとこさ、着きました。
トイレの雪を片付けていたリョウくんに山頂を誘い、先行します。
ん~、天上の桃源。てくてくあるく、しあわせ。
飯豊山を頂きました。
この貧しき土塊が、今年も、護られ、扶けられて、此処に起てたこと、
そのことに、ただただ、感恩が溢れます。
先ずは、ステップをたくさん頂戴したリョウくんを、感謝をこめ、パチリ。
そして、私。
山はその存在を全うし尽しています。
「ここに 三昧のせかいがあるなら
ほこるひとにほこらしておけ
いつわるひとにいつわらしておけ
ここに 三昧のせかいがあるなら
ほこるみずからにほこらしておけ
いかる みずからに いからしておけ」
(八木重吉)
風の響、山の響を聴き、
思想を通わせます。
まったりと、眺覧、周覧のひと時。
いい時間を、ありがとう。
そろそろ、小屋に戻るとしますか。
遅れて小屋に戻ると、リョウくんは入口の雪の片づけ中。
ご苦労様。
私もちょっとだけ仕上げを手伝いました。(笑)
さて、リョウくんは、『鍋奉行』。
大鍋やら、フライパンやら、酒やら、食材をてきぱき。
後はお任せです?
一品目を平らげ…
二品目は持ち寄った食材を全部入れて、ごった煮。
それをつまみ、酒を酌み交わしながらの、歓談、四方山話に。
途中から、ダイグラ尾根を上って来た、新潟の岳人さんも加わり、
話はエスカレート?(笑)
ああだこうだと、直球、変化球が飛び交い、楽しいひと時に恵まれました。
『飯豊山/慈恩(三)』に続く。