あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山/和遜 2018年5月4日


 今日(5/4)は、磐梯山へ。
 3日~4日で、どうにか、泊りがけの遠征が出来そうな塩梅でしたが、
 寒気を伴った気圧の谷がご登場とあっては、荒れるのは必至。
 ここは、無理をせぬ方が…。
 こんなときこそ?磐梯山です。



 今日の相棒は長靴、『親方寅さん』。
 (グリップも良く、丈夫で長持ちです)
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 一応、「晴れ」予報だったのですが…雨。
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 持参の傘を友に、singin' in the rain.
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 傘を打つ音が変わり始めたと思ったら、何と霰(あられ)
 飯豊は雪だろうな、きっと。
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 沼の平が近づくと、雪の居残り。
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 雨になったり、霙になったり、霰になったり。
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 スプーンカットに足をのせて。
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 弘法清水小屋に到着。澁谷さんがすでに小屋を開けておられました。
 ちょっと息ませて頂きましょう。
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 暖まって、さあ、山頂へ。
 登山道には、まだまだ半端な雪。
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 半ばを越すと、一面に霧氷、雪の華の歓呼の響。
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 ふ~、大磐梯を頂きました。
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 憐れんでか、陽精が、ほんの一瞬のエ~ル。
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 凍てつく、ミネザクラ
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 咲く、ひとすじの気持ちが、透徹します。
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 風が強く、居たたまれないので、下ります。
 雪の華たちは、見られることが、しあわせなのです。
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 掘って頂いた弘法清水、有難く頂戴します。
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 そうこうしているうちに、ガスがとれ、櫛ヶ峰が御出座し。
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 山頂も見え隠れし始めました。
 もう一回登るのもなぁ…(笑)
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 天狗岩も溌剌。
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 寒気が空気を澄ませます。
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 "天へ、天から生きよ"と、呼ばわる響。
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 沼の平、いつもの場処で、ひと息。
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 お山と語らいます。

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 スウィフトの『ガリヴァー旅行記』から――
 「われわれはこの粉末を屢々大きな中空の鉄球につめこんで、
 機械仕掛けでこれを攻囲中の都市目がけて打っ放すのだ。
 すると舗道は砕ける、家屋は粉砕する、破片は八方に飛び散って、
 近づく者はだれかれ差別なく脳漿を叩き出す」・・・
 この粉末とは火薬。
 火薬に慣れ、これを使って人を殺すことを平然と話せる異常さに気づかない
 巨人の国の王様に向って、火薬の効能を得々と説いたのでした。
 小人の国では巨人のガリヴァーも巨人の国では小人、尺度次第です。
 だから進歩は退歩、退歩は進歩に。
 すると、巨人国の王様は、
 「よくもその方のような無力、地をはう虫のごとき存在が、
 かかる鬼畜のごとき考えを抱き、あまつさえその凄惨流血の光景にも、
 まるで平然として心も動かさないかのようなしゃあしゃあたる態度で
 いられるものだ・・・
 その方はその破壊的機械の効果について、
 まるで日常茶飯事のような話し方をするが、
 かかる機械の発明こそは人類の敵である。なにか悪魔の所行に相違ない、・・・
 もし生命が惜しければ二度と口外しては相成らん」と、
 ガリヴァーを、一喝したのでした。
 「人間性の喪失」を、いつから人は「進歩」と呼び始めたのでしょう。

 「平和」がこれほど難しいものになってしまったことが、
 人類の「進歩」の証しだとでも言うのなら、何たる背理であることよ。
 原子力の効能、遺伝子組み換えの効能、AIの効能、・・・・
 「効能」がどんどん人間性を蝕んでゆきます。



 お山は、だまって、うなずいてくれました。
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 そして、陽精も。
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 雪解けが歩一歩。
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 衛兵岩に礼し、沼ノ平にいとま。
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 後は、すたこら。
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 鏡沼。
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 "また、いつでも来な"。
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 湖のねぎらい、エ~ルに与ります。
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 長靴で一気に駆け下りました。
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 タンポポに礼して…
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 無事の下山、
 和遜の山路に
 感謝、感謝。



 Fin