あるく

~山の恵みの備忘録~

高柴山/恵心 2016年11月6日


 今日(11/6)は、
 阿武隈高原中部県立自然公園『高柴山』
 及び、
 堂山王子緑地環境保全地域
 を見廻ります。

 本日は、イベント。
 近年、虫害などにより低下したヤマツツジの樹勢を扶けるべく、
 『第5回 高柴山げんき復活大作戦!』が催されました。
 私も、参加されたみなさんと一緒に、
 下草刈りや、ツルの除去、薬剤散布といった整備作業に、
 少しく協力させて頂きました。 



 いつもの門沢登山口から。
 今日は『大作戦!』、参加される方々が後続します。
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 杉林を抜ければ、紅葉の迎候。
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 予報は晴れなのですが…。
 時折陽が射すも、元気はありません。
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 山頂部に到着。
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 小屋前で事務局の皆さんにご挨拶。


 時間に余裕があるので、先に山頂部を見廻ります。
 先ずは、展望台。
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 日影山~一盃山、そして奥に蓬田岳。
 参加される方々が続々と。
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 移ヶ岳~日山~竜子山~鎌倉岳~五十人山~
 展がる、阿武隈
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 一帯に異状のあるなく、安堵。



 見廻りを了えると、ちょうど、
 本日の作業の『開始式』となりました。
 事務局から作業手順の説明を受けます。

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 浮金、牧野、門沢の各区域に分れ、それぞれの持ち場へ。
 私は門沢班。

 皆さんと一緒に、さあ、作業の開始です。
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 今回の作業は~
 虫が入りにくくなるよう、株周りの下草を刈って、
 空気の通りをよくします。
 そしてツルが絡まっている場合は、剪定ばさみなどで除去し、
 株周りに「オルトラン粒剤」を散布する~。
 
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 仕事キッチリ~。
 でも、一株当たりで10分、20分はアッという間です。
 限られた時間で何株やれるやら。

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 ひと息入れる、門沢班。
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 作業再開です。
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 ツルに困苦のヤマツツジ
 ~「わたしに任せなさい!」(笑)
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 頑強なツルを、伐ったり、回したり、引っ張ったりと、
 すったもんだの悪戦苦闘。
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 了えてすっきり、"ありがとう"。
 ヤマツツジの礼に与ります。
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 作業は佳境、
 すると事務局から、作業終了、集まって下さいとのアナウンス。
 「行ぐべ」。
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 本日はただに整備作業ということではなくて、イベント。
 抽選会が実施され、運の良い人は?景品に与るとのことです。
 (エベレスト登頂を果たしたタレントのなすびさんも応援に) 
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 私は、残念ながら、当選ならず。(笑)
 散会。
 お疲れ様でした。

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 何万株にも及ぶヤマツツジ
 その全部に手を入れることなど、到底、叶いませんでしたが、
 参加された方々の恵心は、その汗を透して、
 すべての株に潤々と沁み入ったことでしょう。
 
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「優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、県民の保健、休養及び教化に資する」べく、「それぞれの立場において努めなければならない」とは、福島県立自然公園条例の思い。
そして、福島県環境基本条例には「人と自然の豊かな触れ合いが保たれることにより、人と自然との共生が確保されるよう」期待されています。
ヤマツツジ。その昔、放牧の農耕馬が果たしていた役割を、今は人の手が担わねばならぬという、高柴山独特の「共生」は、関係する方々の恵心、深い愛情なしには成り立ちません。

『岩波哲学・思想事典』は、その「自然」の項を、古今東西の自然観を俯瞰した上で、「今や《精神》や《歴史》は《自然》と対立するものではない。《精神》も《自然》の発展の一環であり、《自然》もまた《歴史》において顕現する」と結びました。
今、自然観を問うことは、神観をも問うことに繋がります。
機械論的な自然観を踏み台とした文明の倨傲、その生命を落ちぶれさせる思想を超えて、生命のみなもとに触れる、ひとは自然界の子であって、その支配者ではないという深い感懐は、天然自然を畏れ敬う心は、やはり、「観る」のではなく、山に登ったり、保全や整備に力を尽したりと、自らの体にしたたる「汗」を透してしか得られないのではないかと思量するのですが…これまた不遜に過ぎるでしょうか。





 "花は大地の心"だよと、阿武隈の響。
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 さて、帰りましょう。
 今日はこちらが先、これから堂山王子を見廻ります。

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 紅々と、溌剌。沁みて来る、秋の心。
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 水の精の、そして…
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 森の精の、
 ねぎらいとエ~ルに与りました。
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 無事の下山、
 参加された方々の恵心、
 お山の嘉恵に、
 感謝、感謝。



 Fin