あるく

~山の恵みの備忘録~

飯豊山/清朗(二) 2016年6月18日


  『飯豊山/清朗(一)』からの続きです。

  御秘所の岩場を了えて、次は御前坂。
  雲気雲勢に衰えが見え始め、
  山容が安定して見えるようになりました。
  予報では9時以降に好天、当てにしていいのかな?
  体調良好に、感謝。


  "早く来い"、
  飯豊本山が招きます。
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  花々の頌歌、
  一つ一つに独特の旋律。
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  城壁には、飯豊の惟いを高らかに、
  "白鯨"が泳ぎます。
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  さて、御前坂は試練の坂。
  一歩一歩、のっしのっし、うんこらしょ。
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  "白鯨"のエ~ルに足取りも軽く。
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  『カフェ御前坂』には、テーブル形状石。
  マスターの"白鯨"くんの温顔。
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  もう直ぐ御前坂の終点、
  振り返って一息、草履塚。
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  ガスの中に飯豊本山小屋。
  "ご無沙汰でした"。
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  雲気雲勢の衰えがいまだし、ということもあり、
  本山小屋でランチタイムの時間つぶし?をすることに。
  中には三国小屋でお会いしたお二人が同様に先着。
  再びの歓談、四方山話と相成りました。
  胡瓜の浅漬け、ごちそう様でした。


  すると、山頂から戻って来られた方が、
  山頂は雲がとれてきたと朗報。
  早速、山頂へ…。

  お~、青い空が。
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  どんどん一帯が明るんで往きます。
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  径の傍にはチングルマの頌。そして…
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  ああ、何と、ハクサンイチゲが唱を合せています。
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  イチゲの讃歌、飯豊の香り。
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  花々の歓待に与って、飯豊の山頂に。

  足がもつかと心配もしましたが、杞憂。
  一歩一歩を愛おしんわたくしを、
  足は、応えて、此処へと運んでくれました。
  感謝、感謝、感謝。

  心を尽し、思いを尽くし、力を尽くした、この貧しき土塊に
  お山の心が沁みてきます。

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  (この方に撮って頂きました。
  東京から、つぎは全山縦走でしょうか?)
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  お山が調えてくれた眺望に、感謝。
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  大日岳は就寝中かな? 雲も大切な友だちです。
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  北方稜線のにぎやかなこと。  
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  待てば山路の日和あり?
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  天狗岳の雪形。
  今年はどんな思いを彫琢したのだろう。
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  賑わう山頂。みなさん川入からの日帰り組です。
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  遥々と歩いて来ました。
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  讃う、陽精。
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  "天国は
  どこをたちきっても力がみなぎっている
  表裏はなく
  それでいて千変万化だ
  いのちが流れているので
  自分だけとどまって腐っていられない
  天国の一時間は
  人間界の一生よりもっとうつくしくもっと張合がある
  そこには天使があるいている
  人間界にいるときのような疑というものが無いから
  ひとつとして力に無駄がない
  すべて成成であり発発である"
  八木重吉





  古代ギリシア、ある哲人は
  人間の魂は、理性、気概、欲望の三つから成るとして、
  人間とは二匹の獣の上に乗った小人(理性)のような存在で、
  小人が獣を統御できるか否かが、
  正義と不正義の分かれ目なのだと喝破しました。
  国家も然り、
  「哲学者が支配するか、支配者が哲学するか、
  いずれかでなければ、国に災いの止むときはない」
  のだと。

  今、この国には、
  「成長」という神輿を掲げ、
  「おカネ」と「誇り」を放漫にして、
  「暴」を厭わない為政者がいます。
  私は、
  正義について、平和について洞察し、
  生産の論理を御して、対立を調和する、
  そんな政治の姿を夢想する、一人の愚鈍でありたいと
  願っています。

  
  "然うだ"と、
  雲さんたちが肯ってくれました。 
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  なんども何度も、体が回ります。おや?北股が…
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  烏帽子岳、梅花皮岳の奥に北股岳が。
  衷心のエ~ル、しかと頂戴いたしました。
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  ダイグラ尾根、宝珠山
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  イチゲの群生にほっこり。
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  待っていてくれたんだね。
  君は咲くことで報われ、見られ、愛でられることで、救われる。
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  ひとすじの気持…  
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  "ゆきなれた路の
  なつかしくて耐えられぬように
  わたしの祈りのみちをつくりたい"
  八木重吉




  
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  "Grace be with you",
  お山の祈り…。
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  本山小屋にいとまを告げ、"See you, later"。
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  さて、うっとりしてはいられません。
  上って来た以上、下らなければ。

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  "白鯨"が手を振ります…。
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  御前坂へ。草履塚へ。
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  このテーブルに、和みます。
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  御前坂の親昵。
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  しみじみと、いいでの心。      
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  うっとりと、いいでの空。
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  "また、来いよ。"
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  "きっとだぞ"。
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  御秘所へ。
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  飯豊山/清朗(三)』に続く。