『凛秋/飯豊山(その1)』からの続きです。
"Welcom, my friend".
飯豊を頂いて、安心、安息。
心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、
ここまで歩いて来れました。
感謝、感恩が溢れます。
誰もいませんので、my ザック をば記念に。
雲さんたちが気を遣って周りから退いてくれました。
ありがとう。
さて湯を沸かして味噌汁をつくりましょう。
ランチは、おにぎり二個。
味噌汁をすすり、おにぎりを食べながら、
のんびり周覧のひと時、ほほえむ雲と語らいます。
やわらかな雲が、
慈悲のようなやさしさが包みます。
雲わくダイグラ尾根。
雲はとどまらない、千変万化。
いのちのように流れます。
"ほのかにも いろづいてゆく こころ
われながら あいらしいこころよ
ながれ ゆくものよ
さあ それならば ゆくがいい
「役に立たぬもの」にあくがれて はてしなく
まぼろしを 追うて かぎりなく
こころときめいて
かけりゆけよ”
(八木重吉)
大日岳からのエ~ルが、雲を透徹して届きます。
ひかりは統ぶる。
いのちをいわいながら、
あらゆるものをつらぬいて、
あまたの煩いを熔かし、
息をあたえる、――。
"Grace be with you"。
いい時間をありがとう。
もっとのんびりしたいところですが、
秋の日は釣瓶落とし、夕闇は御免蒙りたいものです。
飯豊の山頂にいとまを告げ、往路を復します。
雲が覆い出しました。
本山小屋前に居られた方にお願いしてパチリ。
"また、来ます"。
御前坂を降り出すと、御鏡の雪。
雲さんたちが気を遣って…
御秘所、草履塚も見せてくれました。
すると大日岳まで。
今日はずっとまみえること叶わずでしたが、ようやく。
感謝。
すべてを洞察する、お山。
"友よ"と、親昵の響。
"単に待つ者もまた善く神に奉仕す"とは、
ミルトンの言葉。
"堅く起って、自分の命を全うせよ"と。
お山が"然うだ"と、肯いています。
おおきな、大きなエ~ル。
そして雲に隠れて…
飯豊は生命の山。
頌う宙sora、…
御鏡の雪に、耳澄ませながら。
さぁ、御秘所。
岩頭に起てば…
飯豊本山の呼ばわる響。
"天へ、そして天から生きよ"と。
雲湧いて、唱和…
御鏡雪との愉しい語らい。
御秘所からの、"Grace be with you"。
いとまを告げます。
ヴェ~ルを纏い始めた大日岳。
エ~ルを謝し、草履塚で、いとまを告げます。
草履塚から、切合へ。
草叢にはまだ初夏の処も。
切合から大日杉へと巻く登山道。
地蔵岳、大日杉への稜線。
振り返って、草履塚、飯豊本山。
てくてく歩く形影を睦まじく見守ります。
『凛秋/飯豊山(その3)』に続く。