ありがとう。雨中に迎えてくれたイイデリンドウ。
今日(7/21)は飯豊山へ。
そこに歩く愉しさがあり、上る欣びがあるからこそ、
ひとは、山に登るのでしょう。
そして其処には、表裏して、厳しさがあり、その厳しさが、
ひとを救う…。
「飯豊の日帰り」には、登る者の平生を、その節操を訊う
厳しさがあります。
誇るもののなにものもない私。
ただ、お山の恩恵にすがって、懐中に身を委ねました。
飯豊が歩ける幸い、その時間の貴さに、思いを至しながら。
感謝。
当初、川入からの入山を予定していましたが、先の豪雨に因り、
『一ノ木~川入』間、『川入~御沢』間で深刻な被害が発生、
道路が寸断されています。
復旧には数ヶ月を要するものと思われます。
飯豊、朝日の登山事情に大きな異変が生じています。
山行を計画しておられる方は、どうぞ、アクセス等、其々に
入念な確認をなさいますように。
罹災されたみなさまに、衷心よりお見舞い申し上げます。
大日杉の登山口は被害を免れました。
このところ、写真ばかり撮っている所為もあって、
ペースが亀になり勝ち。なので、
余裕を持たせ、四時ちょっと前の早発ちです。
一年振りのこのコ~ス、足が堪えてくれますように…。
飯豊に見参、滝切合。親昵なるエ~ル。
天と地。
雲間から慈しむような光がこぼれます。
ゆるやかな、しずかなこころがうれしい。
畏れる心が・・・。
お~い、磐梯山。朝だぞい、ア・サ。
朝日連峰ははりきって起きている。
うれしいエ~ルです。
地蔵岳に到着。
気持ちよく空いたお腹に手当て。
わたしを待つ、いっぽんのながれ。
さぁ、切合へ。
歩運に容かたちをかえてゆくお山。
「ゆっくり来な」。
ヒメサユリロ~ドに、やっと一輪。
礼愛があふれます。
ぐいぐい近づく種蒔山、はずむ心。
草履塚と飯豊本山。
エ~ルが重畳されて届きます。
懐に入ればはいるほど、飯豊の温良は寛やかに。
上り来る者を笑んで迎える飯豊山、
そして寵臣・草履塚。
上る者の鼓動に、お山は親しく応えます。
朝日の連嶺が呼ばわります。
「こっちにも遊びに来い」?
切合分岐手前の残雪。
それほどの緊張感はありません。
やさしい勾配を択んで、
半円を描くように巻きました。
アイゼン、装着せず。
大日岳、拝顔。
貴方に会いに遥々来ました。
~が、なにやら陰鬱なのは気の所為でしょうか?
もちろんあなた方にもです、はい。
私の陰鬱ではありません。
山頂直下から、渓を襲った土石流の痕跡が延々。
こんな痛々しい大日岳は初めて。
お山は、凄まじい雨に、打たれ、叩かれ、崩おれて、
それでも、天然の意思にただ従順としている。
偉容だと、私は思います。
切合小屋には管理人の長谷川さんの姿が。
今年も元気にお励みのご様子、何よりです。
大日岳に見澄まされ、見惚れながら、
本山への歩を運びます。
草履塚への残雪はアイゼン不要、
雪の薄い所にだけ注意すれば no problem です。
草履塚に到着。
飯豊本山にあらたまります。
また、此処に起つことが許された幸い。
かすみ始めています。
大気が変調して来ている様です。
大きく、深呼吸。いざ。
胸を躍らせて仰ぐ、飯豊本山。
いつも愉しませてくれる御鏡の雪形。
様々な形に、想像を逞しくするひと時。
雪の抒情が迸ります。
花たちのつつましやかな宴、ダイモンジソウ。
今年も会えました、ヒナウスユキソウ。
もっと早くに来たかった。
みんな、お疲れ様でした。
あなたのひとすじの気持、
しっかりと頂戴しました。
一歩、一歩、また一歩。思いを尽くして。
小さなエ~ルに大きく励まされ。
御秘所から、大日岳。
何やら挙動不審な雲が出ています。
御前坂。涼しさで体調は上々なのですが、
何と雨粒の襲来。
雨足は雨具の装着を促します。
カフェ御前坂でちょっと一息、入れたかったのですが…。
露に悦ぶウスユキソウ、
~雨もまた良しかな?
『後編』につづく。