あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山/レクイエム 2011年8月15日

 
 [ もうそろそろ寿命かなぁと案じていた愛用の靴が、終に、力尽きました。磐梯山の山頂を目の前にして、ソ~ルが剥離。この靴と共に飯豊のあまたの尾根に残した踏跡、その思い出は尽きません。激しい使用に耐えてくれました。ご苦労様・・・。  ]
              
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  今日(8/15)は磐梯山へ。
 
  「8.15」は「終戦記念日」です。
  ・・・毎日、放射線を浴びせられながら、考えます。
  「3.11」は、
  何の日として記憶に留められてゆくのだろうかと。
 
  この日を以て原発を否定し、
  原発に依存せぬ社会を目差して歩み始めるにせよ、
  旧来の経済的利益優先の観念に固執する限り、
  それは、首尾一貫性を持ちえません。
  「貪り」に「貪り」を裁くことはできないからです。
  それは、文明として、大きな覚悟、転向を要求します。
 
  「3.11」は進行形。
  流浪を余儀なくされておられる方々ばかりでなく、
  その被害の実体は10年先、20年先に
  やっと明らかになるのでしょう。
 
  「8.15」は、
  ごちゃごちゃと不平を言う者があるとしても、
  戦後、崇高な「平和憲法」を誕生させました。
  「3.11」はいったい何を生むでしょうか。
  「敗戦」を「終戦」と総括した「日本の思想」に、
  多くを期待することは出来ないかも知れません。
  しかし、「私憤」から「公憤」へ。
  フクシマの尺度が、人類の尺度へと高められなければ、
  「あやまちはふたたびくりかえ」されること
  になるでしょう。
 
 
  今日、私の靴が、靴として戦い抜いて、力尽きました。
  小さな、「戦没」です。
  この姿は、私に「犠牲」の意味を問います。
 
  感謝です。
 
 
 
 
 
  ほんとは夜明け前に発ちたかったのですが・・・。 
    (05:32) 
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  赤埴の山脊に鎮座する大岩に朝のご挨拶。 
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  赤埴を巻き了えて、沼の平へ。お山のご機嫌は ・・・?
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  路傍には涼しげに。 
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           こんな熊鈴が欲しいですね~。 
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      お山も連日の暑さにゲンナリ気味。 
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           宝石を集めたように。 
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  一つひとつから、朝の挨拶が聞えてきます。 
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           集合の美・・・。 
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  今日も先に櫛が峰へ。分岐を右へ折れます。
  (07:38) 
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       いかつい櫛の腕の端をくすぐります。 
 
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  ウメバチソウはノ~ブル、その清楚。 
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    標高を上げれば、火口壁が広がります。 
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  磐梯山本峰。
  語らずとも、言葉がなくとも、伝わるもの・・・。 
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  「お邪魔しますよ~」、雲が賑やかに登場です。 
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  お山の「懊悩」、その襞は何故か安らぎを与えます。     
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    たったひとり、このシ~ンを独占です。     
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    ド~ンと、お山は創造の時を刻みます。(08:17) 
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  そろそろ出番と雲が大挙して。
  そろそろ下るとしましょう。(08:35) 
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      雲が、お山の鼻毛をくすぐります。 
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         雲の営みをそっと眺めて。 
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  二人、登って来ます。
  でも雲が、・・・ちょっと可哀相です。 
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      裏からも雲が。 
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     雲の自在に歩を合わせ。 
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   標高で1600M辺りから上に、雲は落ち着いたようです。 
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           花に挨拶をしながら。 
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           本峰を目指します。 
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           大地の心を体して。 
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  弘法清水を過ぎ、山頂への中間点「ノゾキ」。
  何も見えません。 
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  磐梯山頂に到着。雲も此処に休息中? (09:46)
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山頂の手前で突然靴がバタバタと。見るとソ~ルが、底の三分の二程、剥がれてしまっています。幸いというべきか、踵の部分は確り付いています。剥がれてしまった所を、ストックに巻きつけていたガムテ~プで巻きました。が、長さが余りなく一回り強しか巻けない上、粘着力も弱くなってしまっているので、さらに細紐で巻いて補強。後は、着地の際のストレスで紐が切れぬよう、忍び足で。
この靴は、此処、磐梯山で最期を迎えたかったのですね。靴への感謝が溢れます。
 
                   記念にパチリの私です。
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  抜き足、差し足で「ノゾキ」へと。
  段々とガスが取れて来ました。 
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  一文字でのグルグル巻きは解け易く、
  土踏まずの所とクロスさせて巻くのが、
  一番良いようです。 
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    お花を前にすると、いかつさも消えて。 
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  おや、常連のK倉さんの登場です。
  其処の岩の上でカモシカが息んでいると教えてくれました。 
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いました、いましたカモシカ君が。横になって、色といい、肉眼ではほとんど識別できないぐらい岩と同化していましたが、私が口笛を吹くと、緊張?してか、顔を上げてお見合いとなりました。 
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           天狗岩。 
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   天を仰ぎ続けること、それが天狗岩の使命。 
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  鷹でしょうか、鳶でしょうか、
  大らかに上空を旋回します。 
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     沼の平。いつもの所で休憩です。 
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  赤埴を巻きながら~お山は暑い、暑いと。
  そっと、そっとの歩みです。 
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  標高を落とせば落とすほど、気温がぐんぐん上がります。 
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       「一合目」。木陰でちょっと一休み。 
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  ゲレンデを小走りでショ~トカットしたいところですが、
  今日は靴を大事に。 
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     川桁の山塊が猛暑の中の行をねぎらいます。 
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     無事下山、感謝です。 
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この下りでも踵の部分がしっかり頑張ってくれました。飯豊のたくさんの尾根で労を共にしたことが走馬灯の様に。愛着の一足でした。ご苦労様、有難う、感謝を込めて。 
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  Fin