[ もうそろそろ寿命かなぁと案じていた愛用の靴が、終に、力尽きました。磐梯山の山頂を目の前にして、ソ~ルが剥離。この靴と共に飯豊のあまたの尾根に残した踏跡、その思い出は尽きません。激しい使用に耐えてくれました。ご苦労様・・・。 ]

今日(8/15)は磐梯山へ。
「8.15」は「終戦記念日」です。
・・・毎日、放射線を浴びせられながら、考えます。
「3.11」は、
何の日として記憶に留められてゆくのだろうかと。
この日を以て原発を否定し、
原発に依存せぬ社会を目差して歩み始めるにせよ、
それは、首尾一貫性を持ちえません。
「貪り」に「貪り」を裁くことはできないからです。
それは、文明として、大きな覚悟、転向を要求します。
「3.11」は進行形。
流浪を余儀なくされておられる方々ばかりでなく、
その被害の実体は10年先、20年先に
やっと明らかになるのでしょう。
「8.15」は、
ごちゃごちゃと不平を言う者があるとしても、
戦後、崇高な「平和憲法」を誕生させました。
「3.11」はいったい何を生むでしょうか。
「敗戦」を「終戦」と総括した「日本の思想」に、
多くを期待することは出来ないかも知れません。
しかし、「私憤」から「公憤」へ。
フクシマの尺度が、人類の尺度へと高められなければ、
「あやまちはふたたびくりかえ」されること
になるでしょう。
今日、私の靴が、靴として戦い抜いて、力尽きました。
小さな、「戦没」です。
この姿は、私に「犠牲」の意味を問います。
感謝です。
ほんとは夜明け前に発ちたかったのですが・・・。
(05:32)

赤埴の山脊に鎮座する大岩に朝のご挨拶。

赤埴を巻き了えて、沼の平へ。お山のご機嫌は ・・・?

路傍には涼しげに。

こんな熊鈴が欲しいですね~。

お山も連日の暑さにゲンナリ気味。

宝石を集めたように。

一つひとつから、朝の挨拶が聞えてきます。

集合の美・・・。

今日も先に櫛が峰へ。分岐を右へ折れます。
(07:38)

いかつい櫛の腕の端をくすぐります。

ウメバチソウはノ~ブル、その清楚。

標高を上げれば、火口壁が広がります。

磐梯山本峰。
語らずとも、言葉がなくとも、伝わるもの・・・。

「お邪魔しますよ~」、雲が賑やかに登場です。

お山の「懊悩」、その襞は何故か安らぎを与えます。

たったひとり、このシ~ンを独占です。

ド~ンと、お山は創造の時を刻みます。(08:17)

そろそろ出番と雲が大挙して。
そろそろ下るとしましょう。(08:35)

雲が、お山の鼻毛をくすぐります。

雲の営みをそっと眺めて。

二人、登って来ます。
でも雲が、・・・ちょっと可哀相です。

裏からも雲が。

雲の自在に歩を合わせ。

標高で1600M辺りから上に、雲は落ち着いたようです。

花に挨拶をしながら。

本峰を目指します。

大地の心を体して。

弘法清水を過ぎ、山頂への中間点「ノゾキ」。
何も見えません。

磐梯山頂に到着。雲も此処に休息中? (09:46)

山頂の手前で突然靴がバタバタと。見るとソ~ルが、底の三分の二程、剥がれてしまっています。幸いというべきか、踵の部分は確り付いています。剥がれてしまった所を、ストックに巻きつけていたガムテ~プで巻きました。が、長さが余りなく一回り強しか巻けない上、粘着力も弱くなってしまっているので、さらに細紐で巻いて補強。後は、着地の際のストレスで紐が切れぬよう、忍び足で。
この靴は、此処、磐梯山で最期を迎えたかったのですね。靴への感謝が溢れます。
記念にパチリの私です。

抜き足、差し足で「ノゾキ」へと。
段々とガスが取れて来ました。

一文字でのグルグル巻きは解け易く、
土踏まずの所とクロスさせて巻くのが、
一番良いようです。

お花を前にすると、いかつさも消えて。

おや、常連のK倉さんの登場です。
其処の岩の上でカモシカが息んでいると教えてくれました。

いました、いましたカモシカ君が。横になって、色といい、肉眼ではほとんど識別できないぐらい岩と同化していましたが、私が口笛を吹くと、緊張?してか、顔を上げてお見合いとなりました。

天狗岩。

天を仰ぎ続けること、それが天狗岩の使命。

鷹でしょうか、鳶でしょうか、
大らかに上空を旋回します。

沼の平。いつもの所で休憩です。

赤埴を巻きながら~お山は暑い、暑いと。
そっと、そっとの歩みです。

標高を落とせば落とすほど、気温がぐんぐん上がります。

「一合目」。木陰でちょっと一休み。

ゲレンデを小走りでショ~トカットしたいところですが、
今日は靴を大事に。

川桁の山塊が猛暑の中の行をねぎらいます。

無事下山、感謝です。

この下りでも踵の部分がしっかり頑張ってくれました。飯豊のたくさんの尾根で労を共にしたことが走馬灯の様に。愛着の一足でした。ご苦労様、有難う、感謝を込めて。

Fin