『鉄山/清耀(前篇)』からの続きです。
鉄山避難小屋の前で、ゆっくり、飲んで、食べて。
居心地の良さに、ついつい、根が生えてしまいそうになりましたが・・・
峰々に鼓舞され、いざ。
磐梯や飯豊・・・
そして吾妻のまなざしに擁られて。
りりしい、月天子。
振り返って、鉄山。
矢筈森へ。
雲海との端境は標高で1,400mほどかな?
くろがね小屋は雲陰、雲裏。
雲の上を歩くのは・・・
格別の昂揚感。
溌剌の?沼の平。
ん?雲の波が寄せて来ます。
さてさて、安達太良の銀座。流石のにぎわいです。
わざわざ山頂に行くのも憚られます?・・・
峰ノ辻でひと息入れて、くろがね小屋へ。
馬ノ背が見え始めると・・・
鉄山が屛風の如くに。
樹々が・・・
心を尽くし、力を尽くして・・・
秋を頌いあげます。
くろがね小屋に着くと、ありがたや、雲散霧消。
人だかりは、スル~しましょう。
秋の頌の・・・
大合唱。
鉄山よ、ひとつの称名たれ。
奥岳への道と別れ、湯川渓谷へ。
紅葉狩りに合せ、こまやかに道刈り。
加齢とともに、体は衰え・・・
感覚も鈍くなってくるけれど・・・
たんたんとかわりゆく季節の彩りにおどろく心は深まります・・・。
稜線の秋はドライ、湯川の秋はウエット。
水精の讃歌がBGM。
佳き日に招かれました。
「しみじみと
秋がこころにしみいる日は
怒ってもかなしんでも
しょせんはみずからをみるほかのこころが
みずからのかたわらにしずかにすわり
かなしみといかりとをささげいつき
うつくしいおどろきにひざまずいている」
(『八木重吉詩集』より)
お山はそっと私を秋にかざってくれました。
"Grace be with you"、~の祈りと共に。
こころおどりつつ、すたこら。
無事の下山、
清耀の山路に、
感謝、感謝、感謝。
fin