あるく

~山の恵みの備忘録~

スズメの贈り物

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この夏、庭の片隅に、何やらニョキニョキ。

その辺りは、一昨年の台風19号で泥が上がり、以来、いつも賑やか、

スズメ君たちの格好の砂浴びの場と化していたので、

彼らが何かの種を持ち込んだに違いありません。

何か花でも咲かせるのかなとそのままにしておいたら、

それはそれは見事なケイトウの花が咲きました。

 

気になって花言葉を調べてみると、妙と言うべきか?思わず苦笑い。

ケイトウ」=「鶏頭」から直ぐわかるように、

真っ赤なトサカは雄鶏のかっこつけアイテム、ということで、

全般的には「おしゃれ」、「気取りや」、「風変わり」、「個性」、

さらに「色あせぬ恋」、転じて「変わらない愛」、「博愛」等々。

「おしゃれ」、「気取りや」、「風変わり」はそれぞれ英語圏の、

foppery、affectation、singularityからきているのでしょうが、

気にかかったのは蘭語圏の huichelariji、何と「偽善」。

これなど、「花は大地の心」という私の思いからすれば、

作者の心の深層をじっくりと探ってみたくもなるというものです。

私が首肯、感じ入ったのは仏語圏の花言葉

fidelite「忠実/忠誠」、constance「恒常」、immortalite「不死/不滅」とか。

真っ赤なトサカという強烈な自己主張、花期が長く色あせぬその独特は、

他者のいわれのない干渉を跳ねのける強さへと普遍化されました。

さすが、個を大切にする国、パスカル、アランを生んだ国ですね、フランスは。

花言葉をつけるのなら、こうでなくてはなりません。

これでこそ、メッセージ。大地の心。

 

スズメ君、贈り物、どうもありがとう。