あるく

~山の恵みの備忘録~

飯豊山/恩光(中) 2020年6月9日

 飯豊山/恩光(上)』からの、続きです。

 

  草履塚で、「草」ではなく、「心」の草履を履き替え、北峰へ。

 雪の厖大、雪形の妙、その彫琢に、まみえます。

 

 ずんずんと圧せられた雪は、連繹、連延、意思と生りました。・・・

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 御鏡に、豊実に、その本懐が封じられています。 

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 飯豊本山へ。

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 鞍部へと降り始めると、何とイチゲの群れが。

 石転ビ~北股にイチゲを見に行こうにも、それは県跨ぎと、後ろめたさ。

 でも、此処は、紛れもなく福島県の領分?(笑)

 咲いててくれて、有難う。

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 めんごい、めんごいと、なかなかに足が進みません。 

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 大日岳も、イチゲに祝われ、うれしそう。 

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  御秘所の岩場へ。

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 ここにも、大勢のイチゲ。 

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 其処彼処で頌うこえに、累累の巌が明らみます。 

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 そして唱を合せる、キンバイ。お山は、幸せもんです。 

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 御秘所に起てば、本山の呼ばわる響。

 ”天を仰げ、天から生きよ”と。 

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 キンバイの頌に歩を合せます。 

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 さあ、御前坂。いやさ、試練坂。 

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  喘ぎながらの試練坂。宙の激に応えます。

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 テーブル形状石がたのしい、「カフェ御前坂」。 

 大日マスターの朗らかな響。

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  息衝いて?坂は終点。峰々のねぎらい。

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 さあ、天上の桃源。 

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 足取りが、急に軽くなりました。

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  飯豊本山小屋。

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 スルーして、山頂へ。 

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  お山と語らいながら。

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 この天上の桃源に、たった一人。

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  その形影が、山頂をめざします。 

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 峰々の集う、天辺。

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  あの頂で、天へと己を晒し、あなたがたと語らうために、こうして、

 わたくしは、たどたどと、ほそきみちをたどってきたのです。

 何万回も、心臓を打ち鳴らして。・・・

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  その場処まで、足前数歩。

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  ふ~。飯豊山を頂きました。

 貧しき土塊が、まもられて、ここまで運ばれてきたことに、感謝。

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  深呼吸して、眺覧、周覧。天と地の祝福に浴します。

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 『新しい生活様式』と、世上に喧しい。この言葉、

 どちらかというとへそ曲がりな?交友連の中で、あまり評判は良くない。

 「新しい生活様式」を求めるのなら、それはもっと根元的なことのはず。

 洒落た事を言ったつもりの当の本人たちにその覚悟が見えないからです。

 世界は、"new normal"(新しい日常)を探っています。

 

 新約書の主人公は曰う、

 「だれも古い着物をつくろうのに、真新しい布を用いはしない。

 もしそのようなことをすると、新しいつぎは古い着物を引き裂き、

 破れはもっとひどくなる。

 また新しいぶどう酒を古い革袋に入れる人はいない。

 もしそのようなことをすれば、ぶどう酒は革袋をはり裂き、

 ぶどう酒も革袋もむだになる。

 新しいぶどう酒は新しい革袋に入れるものだ」と。

 (マルコ福音書

 

 哲学者は「ざらざらした大地」(Wittgenstein)がなくなったと歎きます

 ・・・情報の直接性がなくなってしまったのです。

 国会でお偉いさん方は誰かさんが書いた紙切れを読み上げる、そして

 その誰かさんもまた別の誰かさんの文字を・・・

 情報が作為でゆがめられていないと誰も保証できない。だから、

 誰一人として、主体をかけた責任をとらない、とるつもりもない。 

 

 

 この「ざらざらした大地」、ごつごつとした山頂で、耳を澄まそう。

 天と地とを透徹する響に。  

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 おにぎり1個、パン1個。

 蒸れた靴を乾かし、靴下を替えます。

 

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 峰々と思想を交換する、ひと時。 

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 (大日岳を頂きたいところですが・・・)

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 峰々には、独特の貌。

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 そして、それぞれに、独特の思想、独特の生涯。  

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  お~い、ばんだいさ~ん!

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 飯豊山/恩光(下)』に続く。