あるく

~山の恵みの備忘録~

磐梯山、そして渡り鳥たちの安息 2009年12月5日

 敬愛してやまぬ八木重吉の詩集に …
「地はうつくしい気持をはりきって耐らえていた
 その気持を草にも花にも吐けなかった
 とうとう肉をみせるようにはげしい霜をだした」
 (八木重吉


天もまた地と同じ様にうつくしい気持をはりきって耐らえていたのです。

そしてとうとう肉をみせるようにきびしい雪をだした・・・・・・・
「科学する心」や「芸術的心性」を量りに掛けるのはよします。
「雪」は不思議な現象です。
では、雪が少なくなって来たのは

天のうつくしい気持が少なくなってきたからでしょうか?
違います。
人間が天のうつくしい気持への不虔を蓄えにたくわえてしまったので、
天は雪をだしたくてもだせなくなってしまったのです。
八木重吉という詩人の想念を借りて生意気を綴ってしまいました。

 

豪雪の地に暮す方にとって雪は愛憎半ばよりかむしろ憎に傾くものでしょうか。
雪が、岩や木や地にあるもの一つひとつを包んで醸す世界は、
「白」というたった一色の世界なのに、
色とりどりに演出された秋の饗宴をはるかに凌駕します。
「純白」というたった一色の結晶の前には秋の妖艶は前座にすぎません。
雪の世界に、天の「うつくしい気持」に、
しばし、浮遊する幸いを味わわせていただきました。感謝。

 

また幸いにも白鳥や渡り鳥たちと安息の時間を共にでき、
天気と逆に心は晴れ渡りました。


(06;00頃・猪苗代スキー場発~磐梯山頂~12;00頃・猪苗代スキー場着)



10/12、飯豊の下山時、三国小屋でお遭いした郡山のkobayashiさんと駐車場でバッタリ。
今日は午後から雨予報、午前中に登ってしまおうと、考えることは同じです。先に出たkobayashi
さんに追いつき、行を共にすることに。
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ご覧の通り、「だろうなぁ」とは思っていましたが、実際に無雪のゲレンデに唖然。
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それでも沼の平にくれば、「そこは雪国だった」。
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何の実でしょうか?凍えています。
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弘法清水への上り。ここに至ってなお、積雪は30CMに満ちません。
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弘法清水小屋に到着です。
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カップ麺を食べないと元気の出ない筆者です。kobayashiさんに先に行ってもらいます。
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少ないとは言え雪に囲まれ、小屋も緊張気味です?
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通称「のぞき」まで来ました。寡雪ですが、良い感じです。
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樹氷の世界に入って行きます。
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山頂が見えてきました。
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山頂の祠です。雪が少なくて済まなさそうです。
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午前中の予報は良かったのですが、ガスは相変わらずです。
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心なしか頼りないエビのシッポです。
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樹氷の回廊を下ります。
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幻想的な世界です。
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雪って不思議な「出来事」ですね。
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足元に雪があるとコケても笑って済ませられるので、ちょっとおどけて歩きます。
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こんなトンネル、他にありません。
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笹は深々とお辞儀をして勢揃いです。何だか気分は王様です。
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一足先に下りたkobayashiさんが待っていてくれました。
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筆者です。赤のジャケットは冬専用です。
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沼は静かな佇まいです。
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だんだん雪がなくなっていきます。
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赤埴の巻道の雪も寂しく。
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一合目、天の庭に戻り着きました。
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明るいとは言え、予報の晴れマークは何処に?
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6時頃登り始め12時頃には下山終了となったので、時間はタップリ。冬の使者・白鳥に逢いに湖岸へと向かったのですが、生憎愛想の良いカモさんばかりです。
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こんなに「人間慣れ」して、ほんとに野生?
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私などまったく無視。まさに傍若無人です。
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「鍋」にされないように気をつけてね。
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渡り鳥さん達の、のどかな安息タイムです。
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言葉を交わせたら楽しいだろうなぁ。
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みんなそれぞれ歩き方にも表情にも個性がありますね。
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あどけない目です。
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お目当ての白鳥が居らず、ガッカリしていたら隣の方が親切にも「向こうの田圃に羽を休めていたよ」と教えてくれました。早速行って見ると、いました、いました、・・・。
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最初はしゃがんでのったりしていた白鳥も私が近づくと警戒してか立ち上がりました。
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でも、じっとしていたら安心したのでしょうか、それ以上動こうとはしません。
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翔び発つ様子もありません。
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せっかくのんびり休んでいたのに、安息の時間を破ってしまったかな。ご免なさいね。
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猪苗代湖。水質もだいぶ戻ってきたようです。
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晴れていれば、前方に磐梯山が鎮座しているのですが。またの機会に、・・・。
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